京都市バス、AIカメラを搭載したバスによるガス管パトロール業務を開始

京都市バス、AIカメラを搭載したバスによる新しいガス管パトロール業務を開始

京都市にて、大阪ガスネットワーク株式会社が同市交通局との協力のもと、画期的な「工事現場をAIで自動認識する車載カメラ」を活用したガス管パトロール業務を開始しました。この技術の導入は、関西地方の三大都市として知られる大阪市、神戸市、京都市でのガス供給の安全性向上を目指しています。

AIカメラの技術的背景

AIカメラは、車載バスが走行中に周囲の工事現場を自動的に認識し、その画像を分析して工事の有無を判断します。これにより、道路に埋設されたガス管が他の工事によって破損するリスクを未然に防ぐことが可能となります。大阪ガスネットワークは、エネルギー供給の安全性を確保するため、工事現場におけるガス管のパトロールが重要であると認識しています。

過去のパトロール業務との違い

従来のガス管パトロール業務では、点検員が指定されたルートを1日かけて巡回する必要がありました。しかし、AIカメラを搭載したバスが運用されることにより、この作業が飛躍的に効率化されます。AIカメラを活用することで、複数回のルート巡回が実現し、これにより点検員による巡回時間外でも工事現場を把握できるようになります。実際に、AIカメラを導入した地域では、連絡のない工事が約2倍発見される成果が上がっています。

さらなる展開と未来の展望

待望の新パトロール業務は、2025年11月から京都市バスの路線の一部でも実施される予定です。この拡張後には、AIカメラを搭載するバスの台数が大幅に増加し、累計で110台に達します。将来的には、さらに多くの地域での導入が見込まれており、大阪ガスネットワークは「社会やお客さまから最も信頼されるライフラインカンパニー」を目指して、新しいサービスや技術を導入し続ける意向を示しています。

その他の実績と評価

今回の取り組みは、2022年には国土交通省が主催する「第5回インフラメンテナンス大賞」で特別賞を受賞するなど、業界内でも高い評価を得ています。また、2023年には日本ガス協会技術賞を受賞するなど、最新技術の導入が評価されていることも見逃せません。

撮影画像の管理とプライバシー

AIカメラが撮影した画像は、工事現場を把握するために利用されますが、通行している方々のプライバシーを守るために厳格に管理されています。不正利用を防止するため、一定期間経過後は速やかに画像を消去し、第三者への提供は行いません。このように、技術の進化と共に、安全とプライバシーの両立を図っています。

大阪ガスネットワークは、これからも技術革新を続け、地域社会に安全で安心なライフラインを提供するため、努力を惜しみません。