JAFの新たな取り組み「J-FAST」とは
一般社団法人日本自動車連盟(JAF)は、自然災害時の支援を強化するため新たに「J-FAST(JAF-First Action Support Team)」を設置しました。これまでJAFの特別支援隊は全国各地での災害に迅速に対応し、助けを必要とする人々を支えてきましたが、近年の頻発する大規模災害に対し、更なる即応性が求められるようになりました。
J-FASTの設立背景
JAFは過去に数度の大きな災害現場で活動してきました。2011年の東日本大震災、2019年の台風19号、2024年の能登半島地震、そして2025年の熊本豪雨など、多くの厳しい状況で支援を行ってきましたが、実際の現場では情報不足や資機材の不適合による作業の遅延が問題となっていました。これらの課題を解決するために、即応力と機動性をもった部隊を設けることが急務となったのです。
J-FASTの具体的な役割と構成
J-FASTは、特別支援隊に所属する即応部隊で、災害発生後12時間以内に被災地に到着し、被害調査や支援活動を開始することを目指しています。このチームは、現場の状況を迅速に把握し、必要な作業車や資機材を手配しつつ、後続部隊がスムーズに活動できるよう支援します。
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新しい災害支援車
このチーム専用の災害支援車両は、一般的なサービスカーとは異なり、特に災害対応に特化した装備を備えています。主な装備には、発電機や照明、浄水機器などの緊急用資機材が含まれ、食料や飲料水、さらには簡易トイレといった生活必需品も搭載されています。この車両があれば、ライフラインが途絶えた状況下でも活動を続けることが可能です。そして、通信障害が発生しても、隊員間での情報共有を行える情報伝達装置も装備されています。
期待される効果
J-FASTの設立により、災害発生から12時間以内に現地に到着し、被害状況の把握が可能になります。また、交通路の確保や迅速な救援作業が行われることで、被災者への支援が迅速に実施されます。情報の収集と共有を行うことで、続く部隊の活動がより効率的になることも期待されています。JAFの全国的なネットワークを活用することで、地域復旧を一層早めることができるでしょう。
今後の展望
今後、J-FASTには各地の地方本部から順次隊員が配置される計画です。現在、災害支援車両は1台ですが、将来的には全国に展開され、より迅速かつ効果的な初動対応が可能になることを目指しています。JAFは、引き続き全国のネットワークを活かし、災害時の社会的使命を全うすることに取り組んでいくでしょう。
【参考リンク】