プロスポーツと企業の関係
2025-08-05 17:30:51

プロスポーツクラブと企業の新たなパートナーシップの形成過程に迫る

プロスポーツクラブと企業の新たなパートナーシップの形成過程に迫る



2023年7月12日、日本スポーツ産業学会が開催した「令和6年度 学会賞」の表彰式において、新潟医療福祉大学健康スポーツ学科の山本悦史講師と立命館大学の中西純司教授の研究論文が高く評価され、受賞となりました。この研究は、企業とプロスポーツクラブのパートナーシップの形成と強化に焦点を当てた質的分析によるもので、まさに今、関心を集めています。

研究の背景と目的



研究者たちは、特にサッカーJリーグに所属する水戸ホーリーホックとそのオフィシャルパートナーであるJX金属株式会社との具体的なパートナーシップ契約を取り上げ、どのようにこの関係が形成され強化されていくのかを探求しました。企業がプロスポーツクラブと契約を結ぶ際に、社内でどのようにその決定が正当化され、共感が生まれるかというプロセスに深く切り込んだのです。

研究方法



本研究では、ドキュメントの収集や関係者へのインタビュー、さらに約16ヶ月にわたる参与観察といった多様な調査手法が用いられました。このアプローチを通じて、パートナー企業側における意思決定プロセスや、水戸ホーリーホックへの共感が形成される過程を明らかにしました。

主な発見



  • - 資源動員の創造的正当化: 企業がパートナーシップ契約を締結または契約料を増額する際には、社内での資源動員を正当化する必要があることが確認されました。これは、正当化には多様な理由の共存状態やオピニオンリーダーの存在、さらに企業の組織特性が影響を与えることを明らかにしています。
  • - 共感の醸成: 企業がパートナーシップを通じてクラブのビジョンや経営改革、ブランドイメージに共感することが、関係の強化に寄与することが示唆されています。これらの要素が一体となることで、企業は未だ得られていないような経営成果を得られる可能性があるのです。

研究の意義



本研究は、企業とプロスポーツクラブの間におけるパートナーシップ形成に潜む要因を解明する上で極めて重要だといえます。ターゲット企業の内部における資源動員の正当化プロセスを理解し、これを促進する理由を効果的に創出することが、結果として双方にとっての利益を生むことが期待されます。さらに、パートナー企業はクラブや地域との共通価値を創造することによって、従業員満足度の向上や地域社会との信頼関係を築く機会を得られるでしょう。

最後に



このように、山本講師と中西教授の研究は、プロスポーツクラブ経営における新しい視点を提供しています。企業とクラブが協力しあうことで、地域社会へも良い影響を与える関係を築いていくことができるのです。今後の研究成果にも期待が寄せられます。

論文情報



  • - タイトル: 「プロスポーツクラブ経営におけるパートナーシップ形成・強化要因の質的分析:オフィシャルパートナー企業の意思決定プロセスに注目して」
  • - 著者: 新潟医療福祉大学健康スポーツ学科 山本悦史、立命館大学産業社会学部 中西純司
  • - 掲載誌: スポーツ産業学研究 第34巻 第2号、pp.81-103.

研究者情報



新潟医療福祉大学健康スポーツ学科講師 山本悦史についてはこちら 新潟医療福祉大学 で確認できます。
全国でも数少ない医療系総合大学で、実践的なチーム医療を学べる環境が整っています。


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