中古車市場の新たな指標「市場価格指数」の重要性
株式会社オークネットは、2025年6月の「中古車市場価格指数」レポートをリリースし、日本の中古車市場の現状を的確に分析する新たな指標の重要性を示しました。この「市場価格指数」は、東京大学エコノミックコンサルティング社との共同研究によって開発され、年間40万台を超えるオークネットの流通データを活用しています。この取り組みによって、中古車市場での価格動向を正確に把握し、消費者や業界にとっての信頼性の高い情報源を提供しています。
従来の「平均取引価格」のみでは、中古車の質の変化を反映できず、物価変動を適切に捉えられませんでした。しかし、「中古車市場価格指数」では、様々な中古車の特性が考慮され、その変動がより正確に示されるようになっています。このように、過去のデータをもとにした統計モデルの活用は、市場参加者にとって極めて重要でしょう。
最新の6月レポートの概要
2025年6月のレポートによれば、「中古車市場価格指数」は、基準年の2008年7月を1とすると、2.182に達しました。これは前月の2.185から若干減少した数値です。一方で、「平均取引価格」も同様の傾向が見られ、1.481に減少しています。これらの数字は実際の取引データに基づいて算出しており、信頼性が高いことが魅力です。
さらに注目すべきは、同じ品質の中古車においては相場に大きな変化がないものの、安価な車両が市場に増加している点です。つまり、消費者にとっては選択肢が増えたということになります。
ボディタイプ別に見ると、ラグジュアリー車が最大幅で1.73%上昇し、ミニバンやバン・トラックも同様に価格が上昇しています。一方で、コンパクトカーやミッドサイズSUVは、逆に価格が下がっているという現象が見られます。
毎月のレポート公開
この「中古車市場価格指数」レポートは、毎月20日を目途に公開される予定です。これにより、市場参加者は常に最新の動向を把握できるようになります。オークネットが目指すのは、透明性のある中古車取引環境の実現であり、信頼性の高いデータと情報提供を通じて循環型経済の未来を導きます。
終わりに
「オークネット循環型経済ラボ」は、1975年に世界初のリアルタイム中古車オンラインオークションをスタートしたオークネットによって運営されています。循環型経済の可能性を広げるために、様々なリサーチや分析を行い、より良い形で中古車市場の未来を形作っていくことを目指しています。今回の「中古車市場価格指数」の発表は、その一環であり、今後の動向にぜひ注目していきたいところです。