自動運転ミニカーバトルが開幕
42 Tokyoが主催する「自動運転ミニカーバトル」のキックオフイベントが、2025年11月29日に盛況のうちに開催されました。このイベントは、自動運転技術を学ぶ実践的な場を提供し、将来のソフトウェアエンジニアの育成を目指しています。
イベントの魅力と目的
自動運転ミニカーバトルでは、参加者が電子制御されるミニカーにカメラやセンサーを搭載し、独自にプログラミングした自動運転アルゴリズムによってコースを周回し、最速タイムを競う実践型のコンテストです。約3ヶ月間にわたるハッカソン形式で行われ、エンジニアリングスキルやチームワークを実践しながら身につけます。
第二回目となる今回は、178名の選手が50チームに分かれて参加し、2026年2月に予定されている予選レースと決勝レースに向けての開発が始まりました。このようなイベントを通じて、業界の急速な変化に対応できる人材が育成されることが期待されています。
時代の流れに乗った人材育成
日本の自動車産業は、今や「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」と呼ばれる革新的な技術へとシフトしています。この変化によって、ソフトウェアエンジニアのニーズが急増しています。しかし、現状ではソフトウェアをどのように活用するかに関する理解が追いついていないのが実情です。この課題を解決するために、42 Tokyoはこのイベントを開催し、技術者が「ものづくり」と「ソフトウェア開発」が融合するプロセスを体験します。
本イベントにはトヨタ自動車やマツダといった大手自動車メーカーが協力しており、企業間の壁を超えてエンジニアの育成に取り組んでいます。
パネルディスカッションにおける業界のリアル
イベントの後半では、トヨタ、マツダ、スマートホールディングスの各企業からの登壇者によるパネルディスカッションが行われ、現在の開発現場の直面する課題や将来のエンジニアに求められるスキルについて議論されました。
テーマ1: 業界の変化
登壇者たちは、急速に進化する自動車業界が求める新たなスタイルについて触れ、開発現場の文化の変化を語りました。スーツからカジュアルな服装への移行は、技術の進化とともに増したスピード感を反映しています。
テーマ2: 技術トレンドの理解
業界のエンジニアが求めるのは特定のプログラミング言語だけではなく、その背後にある技術の理解です。基礎的な知識と実践が要求される中、エンジニアには技術の本質を理解する能力が求められていると強調されました。
テーマ3: 人間性の重要性
巨大なシステムを動かすためには、技術力だけでなくコミュニケーション能力や人間性が欠かせません。異なるバックグラウンドを持つ人々と協力し、困難を克服する力が未来のエンジニアに必要です。
テーマ4: 挑戦への適応
最後には、登壇者たちが自身のキャリアの初期について振り返り、参加者に対して挑戦し続ける大切さを伝えました。「泥臭さ」を恐れず経験を積むことが成長につながるというメッセージが印象的です。
今後のイベント予定
参加者は、2026年2月に行われる予選レースと決勝レースに向けて、各自のミニカーやプログラムの最適化に取り組みます。開発と試走の期間は2025年11月29日から2026年2月7日までで、ハッカソン期間中にはテストコースや最新の3Dプリンターを利用しながら、競技に向けた準備を進めていきます。
この自動運転ミニカーバトルは、次世代のエンジニアを育成するための重要なステップとして目が離せないイベントです。