立命館大学が初出場で駅伝大会を制覇
2025年6月20日、日本から初めて出場した立命館大学が、英国のウィンザーで開催された第2回FT Nikkei UK Ekidenを見事に制しました。この大会には、オックスフォード大学やケンブリッジ大学など、英国の強豪大学15校が参加し、全31チームが競い合いました。今回の駅伝大会のコースは、英国テムズ沿いの114kmを10区間に分けて行われ、選手たちはその厳しい距離に挑戦しました。
大会は、オックスフォード大学が昨年のチャンピオンとしてスタートしましたが、彼らは残念ながらタスキの受け渡しをルールに従わずに行ったため失格となりました。これにより、立命館大学が繰り上げ優勝を果たし、驚異的な出来事となりました。2位にはラフバラ大学、3位にはセントメアリーズ大学が入賞しました。
立命館大学の選手たちは、バトンリレーであるタスキをかけて走り抜け、特に注目されたのは、土屋舞琴選手が8区、薮田虎志朗選手が7区を担当し、アンカーとして荒田悠良選手がその役目を果たしたことです。選手たちは厳しい気温29度の中で日本の伝統を大切にし、力強い走りを見せました。
一方、失格となったオックスフォード大学には、その優れた走りとチームワークが評価され、主催者から特別賞が贈られるなど、彼らの競技への情熱も称賛されました。
大会の概要
FT Nikkei UK Ekidenは、英国・ウィンザーのブロカス・フィールドを起点にし、レディングのキングスメドウまでの往復コース全長114kmを10区間に分けて行われました。大学対抗部門では男女混合チーム(男子5名、女子5名)で競い、立命館大学は特別招待枠として参加しました。企業・コミュニティ部門には、スポンサー企業やメディア関係者、在英日本国大使館が参加し、総勢310人以上の選手がゴールを目指しました。また、鹿児島から渡英した5人の学生が「鹿児島チーム」として出場し、薩摩藩の留学160周年を記念しました。
この大会で注目されたのは、英国では一般的ではないタスキです。日本の襷(たすき)は信頼や絆を象徴するアイテムとして、参加者にとって新たな体験となりました。
大会の意義と展望
本大会は、Financial Times(FT)と日本経済新聞社(Nikkei)の支援を受け、日本の伝統である駅伝文化を英国に広め、大学の駅伝競技を確立することを目的としています。今年は新たにアシックスや日本航空、サントリーグローバルスピリッツ、三井住友フィナンシャルグループなどのスポンサーが加わり、大会の成長を示すこととなりました。
企業・コミュニティ部門には、メディア関係者やインフルエンサーたちが中心となったメディアチーム「駅伝ストーリーTellers」、在英日本国大使館と英国王室関連スタッフによる合同チーム、さらには英国空軍チームなど様々な業界からの参加があり、交流の広がりを感じさせました。
大会の運営にあたるUK駅伝運営本部および多くの地元ボランティアの支持を受け、地域住民も応援に駆けつけ、温かい声援で日本発の駅伝大会を盛り上げました。オリンピック出場経験者であるエイリッシュ・マッコルガン選手やベス・ポッター選手といった名ランナーも企業チームとして参加し、その存在価値を示しました。
大会主催者であるアンナ・ディングリー氏は「今年は非常にハイレベルな戦いとなり、全ての選手がチームワークと忍耐力を発揮し、素晴らしい走りを見せてくれました」と述べ、今後の発展に期待を寄せています。フィナンシャルタイムズCEOのジョン・リディング氏も「このイベントのスケールは初年度を超え、感動的な光景となりました」と語り、両国の選手たちの真剣な姿を称賛しました。
UK駅伝の背景
「UK駅伝」は、日本の駅伝文化に感銘を受け、2024年に天皇陛下が英国に訪問される記念年に創設されました。この大会は日英関係の強化と、日本の大学駅伝文化を英国に根付かせることを目的とし、スポーツを通じた国際交流の貴重な機会ともなっています。参加者たちは日本の精神に触れ、新たな文化交流の架け橋となることでしょう。