CoreTissue BioEngineering社の新たな一歩
横浜市鶴見区に本社を構えるCoreTissue BioEngineering株式会社(以下、CTBE社)は、最近、総額約6億円の資金調達を達成しました。この資金調達には、日本ハム株式会社や三井住友海上キャピタル株式会社を新たな株主として迎え入れたことが大きな特徴です。さらに、既存の株主からも追加の出資を受け取ることで、今後の事業全般を支える基盤が整ったといえます。
この資金を利用して、CTBE社は膝前十字靭帯の再建手術に使用される組織再生型靭帯「CT-ACL001」の企業治験を進めていきます。最初の段階として、昨年12月に行われたFIH(First-in-human)試験が成功裏に完了し、現在はその安全性を確認するためのパイロット試験を継続中です。CTBE社の目指すものは、技術を活用して患者の回復を助けることです。
資金調達の背景
新規出資者の一人、日本ハム株式会社の副社長、前田文男氏は、CTBE社の取り組みが医療デバイスに新たな価値を付与し、アスリートやスポーツ愛好家にとって重要な役割を果たすことを期待しています。同社は、2025年度に新たなR&D戦略「Proteinnovation」を策定し、ヘルスケアやアップサイクル領域へもシフトする方針です。CTBE社への支援を通じて、スポーツ医療の進展を促す期待が寄せられています。
三井住友海上キャピタル株式会社の投資部マネージャーである島﨑卓也氏もコメントを発表。「膝前十字靭帯損傷を経験する多くの人が、自身の腱を用いた再建術を受けており、その後のパフォーマンスの回復や再断裂に関する不安を抱えています。CTBE社の独自技術は、この不安を解消する新しい選択肢として期待される」と述べています。
市場への展開
CTBE社は、今回の資金調達を通じて、米国市場への進出を計画しています。北米での治験準備を進める一方、商用生産に向けた大量生産技術の獲得も目指しています。膝靭帯再建手術による市場は、年間で80万人以上の需要が見込まれ、多くの患者の痛みを取り除くためのチャンスが広がっています。
CTBE社の技術とは
CTBE社は、2016年に早稲田大学からスピンアウトしたスタートアップ企業で、革新的な脱細胞化技術を駆使して、膝前十字靭帯を再生する新たな医療機器の製品化を進めています。この技術は、動物組織から免疫反応を引き起こす可能性のある細胞成分を取り除くことで、体内へ移植する際に自己の組織が再生しやすい環境を提供します。
まとめ
医療業界における技術革新は、患者の生活の質を向上させることに直結しています。CTBE社の取り組みは、単なる医療技術の革新だけでなく、スポーツ医療の発展にも寄与する可能性を秘めています。今後の進展に注目です。詳細は公式URL(
CoreTissue BioEngineering)をチェックしてみてください。