遠藤賢司「実況録音大全第十一巻」の魅力と未発表音源の世界
2025年3月19日、遠藤賢司の集大成ともいえる「実況録音大全第十一巻」が発売されます。この作品は2015年から2017年、彼が逝去する直前までの音楽活動の記録を音源として収めた特大ボックス・セットです。成長著しいキャリアの中で織り成す彼の音楽を振り返る貴重な機会となります。
内容の概要
この「実況録音大全」は、CD9枚とDVD1枚で構成されており、合計10枚のセットです。各CDにはライブ音源が中心に収録され、まさにファン必聴の内容です。また、DVDには2017年の「CD『嘆きのウクレレ』・LP『けんちゃんのピアノ画(スケッチ)』発売記念イベント」での生前最後のパフォーマンスが収められており、その勇姿を目にすることができます。
壮絶な3年間の記録
「実況録音大全」はエンケンこそが持つ膨大な音楽キャリアを時系列に並べていく形式で、これまで続けられてきました。まさに音楽闘争と呼べる3年間を振り返り、彼が癌闘病中でも活動を続けた姿勢には心を打たれます。特に2017年9月に行われたスタジオセッション音源は、彼とドラマーの満園英二の共演ということで、ファンにはたまらない一枚です。
豪華共演者とのコラボ
このボックスの魅力の一つは、数々の人気アーティストたちとのコラボレーションです。石塚俊明や湯川トーベン、遠藤ミチロウ、さらに人間椅子の和嶋慎治やZAZEN BOYSの向井秀徳など、豪華なメンバーが参加しています。彼らとのセッションは、遠藤賢司の音楽の多様性を示す素晴らしい例です。
演奏の迫力と情熱
この作品には、遠藤賢司の演奏が詰まっています。彼は金髪に白いシャツ、そしてホワイトファルコンを持った姿で、ステージ上でのエネルギーは衰えを知らないものです。生前の彼のアイデンティティを象徴する楽器であるホワイトファルコンでの弾き語りは、その情熱が観る者に力強く伝わってきます。そしてそのパフォーマンスは、鬼気迫るものであり、存命中の彼を偲ぶかけがえのないひとときとなることでしょう。
ジャケットアートの魅力
さらに注目すべきは、ジャケットアートです。今回のボックスセットでは、著名な漫画家の浦沢直樹が描き下ろしたジャケットが採用されており、その芸術的な表現は非常に魅力的です。遠藤賢司と浦沢直樹という異なる分野のアーティスト同士のコラボレーションは新たな感動を生み出しています。
遠藤賢司の音楽遺産
「実況録音大全第十一巻」は、遠藤賢司というアーティストが残した貴重な音楽的遺産です。第十一巻にして最終巻というこの作品を通じて、彼の音楽の深さを改めて実感し、想いを馳せることができるでしょう。
おわりに
遠藤賢司の音楽は、彼がいかに生きるかを示す記録でもあります。どの時代においても彼の表現は新鮮であり、聴く者の心を掴み続けます。このボックスセットは、彼を愛する全ての人々にとって特別なものであり続けることでしょう。ぜひ手に取って、多くの人にその魅力を届けてほしいと思います。