インクルーシブアートプロジェクト『第九のきせき』全国行脚へ！あらゆる感覚で楽しむ音楽体験

インクルーシブアートプロジェクト『第九のきせき』全国行脚開始

一般社団法人El Sistema Connectが主催する『第九のきせき』が、ついに全国行脚を開始します。このプロジェクトは、2025年9月28日（日）に福岡県久留米シティプラザでの「第九のきせきin久留米」を皮切りに、2026年2月まで長崎や福岡市、徳島を巡ります。

『第九のきせき』は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第9番“歓喜の歌”を声や手歌（手話を基にした身体表現）、さらには写真を通して表現するインクルーシブアートプロジェクトです。このプロジェクトは、2021年にスタートし、音楽の持つ力を新たな形で広めることを目的としています。

ベートーヴェンの精神を受け継いで

ベートーヴェンは、音楽の大衆化を推進した先駆者であり、“貴族のためではなく、全ての人々のために音楽を作る”という革新的な理念を持っていました。この精神は『第九のきせき』に受け継がれています。音楽を共に楽しむことができる場所を提供することで、様々な背景を持つ人々が一堂に会する機会を創出します。

手話をベースにした表現である手歌を通じて、音楽を奏でることが難しい人々も参加可能です。白い手袋を装着することで、視覚的にも美しいパフォーマンスとして実現されます。

ワークショップでは、コロンえりか（ホワイトハンドコーラスNIPPON芸術監督）や井崎哲也（手話監修、ろう者俳優）が参加者と共に手歌のパフォーマンスを練習し、市民参加型の公演に向けて準備を進めてきました。

音楽の概念を覆す写真展

このイベントでは、手歌のパフォーマンスだけでなく、写真展も同時開催されます。写真家・田頭真理子が手掛けたこの展覧会は、音楽を視覚でも楽しむ新たな試みです。手歌で表現される「歓喜の歌」の歌詞やベートーヴェンのメッセージを深く理解する手助けとなるでしょう。

公演スケジュール

- 2025年9月28日（日） 「第九のきせきin久留米」

- 場所: 久留米シティプラザザ・グランドホール
- 開場: 13:30、開演: 14:00

- 2025年11月16日（日） 長崎県障害者芸術祭大村公演「みんながピースなコンサート」

- 場所: シーハットおおむらメインアリーナ
- 開演: 15:20頃

- 2025年12月7日（日） 福岡市民芸術祭主催事業

- 共演: ホワイトハンドコーラスNIPPON×九州交響楽団
- 場所: 福岡市民ホール・大ホール
- 開場: 12:30、開演: 13:30

- 2026年2月 徳島にて別公演（詳細は後日発表）

参加することの意義

コロンえりかさんと田頭真理子さんのコメントにもあるように、このプロジェクトは耳の聞こえない人々や市民が共に創る音楽の新たなスタンダードを目指しています。音楽の架け橋となって誰もが共有できる喜びある瞬間を生み出し、インクルーシブな社会への希望を体現する場となることでしょう。

エルシステマの理念に基づき、障がいの有無や経済的な状況にかかわらず、誰もが参加できる「ホワイトハンドコーラスNIPPON」の活動も注目を集めています。音楽によるコミュニティの形成や教育の機会を提供することで、未来の芸術創造に向けた可能性を切り開いています。

私たちもこの「第九のきせき」を共に体感し、音楽を心から楽しむ新しい形を感じてみましょう。参加者たちの心がひとつになり、歓喜の歌が響き渡る瞬間に立ち会うことができるのです。