革新的な技術がもたらす静かなドライブ
「パトロール」といえば、その堂々たるデザインと使い勝手の良さで人気が高いSUVです。しかし、このたび日産自動車は、さらなる快適性を追求するために、積水化学工業が開発した高機能遮音中間膜「S-LEC™ Sound Acoustic Film SV」を初めて採用することを発表しました。この技術は、車室内の静粛性を飛躍的に向上させるものとして期待されています。
静寂を実現する高機能中間膜
近年、自動車業界では、エンジン音の少ないEV(電気自動車)の普及に伴い、車内に流れ込む音の質が問題視されています。特にSUVにおいては、風切り音や振動音が車室内に強く影響を及ぼすことから、静粛性の確保が重要となります。このような背景のもと、積水化学の「S-LEC™ Sound Acoustic Film SV」は、単に音を遮るだけでなく、振動音にも対応することで、幅広い周波数帯域での音質改善を実現しています。
この中間膜は、従来の材料に比べて軽量化されており、CO2排出量の削減にも寄与するエコな選択肢です。SUVは特に空気抵抗が高くなりやすいため、ガラスの軽量化と静音性能の両立が実現できることが大きなポイントとなっています。これにより、環境への配慮をしつつも、快適な走行体験を提供することが可能になるのです。
売上を見込む期待の新技術
「S-LEC™ Sound Acoustic Film SV」、この名の通り、サウンドアコースティックの特性を持つため、特に高周波帯域においても卓越した性能を発揮します。実際に、フロントガラスとサイドドアガラスにこの膜を用いることで、最大2.3dBの遮音性向上が確認され、会話の明瞭度も3.3ポイント改善されました。この実績は、まさに最新技術の賜物と言えるでしょう。
日産自動車は、全ての車両において一定の品質を保持するため、積水化学から供給されるこの中間膜は、2024年から中東地域での新型パトロールに搭載される予定です。このパートナーシップは、両社にとっての新たな可能性を引き出すものとなるでしょう。
環境への取り組みと大きな受賞歴
積水化学は、自動車業界における革新を通じて「Nissan Global Innovation & Quality Award」、その中でも「Global Innovation Award」を受賞しました。これは、テクノロジーと環境に優しいソリューションを融合させた製品が高く評価された証です。今後も積水化学は、モビリティ分野において安全性と快適性を追求し、ユーザーニーズに応える製品を提案していくことが期待されています。
未来へのビジョン
この高機能中間膜「S-LEC™ Sound Acoustic Film SV」は、日産自動車のパトロール以外の車両にも適用が進む予定です。自動車の快適性向上と同時に環境への負担を軽減する技術革新が、次世代の車両へと受け継がれていくことでしょう。さらなる発展が楽しみです。
最後に、積水化学と日産自動車の取り組みは、単なる製品販売にとどまらず、持続可能な未来の実現に向けた重要な一歩に他なりません。この革新がどのように私たちの未来のドライブ体験を変えていくのか、非常に楽しみです。