デフフットサルエクスチェンジ臨海球技場杯がつなぐ未来
2025年11月16日、江戸川区の臨海球技場にて、『デフフットサルエクスチェンジ臨海球技場杯』が開催されました。このイベントは、多様性と共生をテーマにしたスポーツ交流会で、その理念を実現するためにリガーレヴィア葛飾や地域の障がい者チーム、少年団など約200名が参加しました。
イベントの趣旨
臨海球技場では、株式会社オーエンスの運営の下、スポーツ・福祉・地域の融合を目指したさまざまな取り組みが進んでいます。今回の大会もその一環として、行政が推進する共生型地域社会の実現に貢献するイベントとして位置づけられています。
第1部:少年団フットサル大会と手話講座
大会のスタートは地域のサッカー少年団8チームによるフットサル大会です。試合前には、手話講座が行われ、子どもたちは「ありがとう」や「お願いします」といった基本的な手話を学びました。これにより、試合が手話でのコミュニケーションの場にもなり、選手たちは心を通わせながらプレーを楽しむことができました。
試合後には、リガーレヴィア葛飾のトップチームや聴覚障がい者によるプレーヤーたちとのエキシビションマッチが行われ、小学生たちがその中に飛び込みました。このような“垣根のないプレー”が生まれた瞬間は、まさに共生スポーツの象徴です。
エキシビションマッチの特別ゲスト
デフフットサル日本代表である佐藤一侍(リガーレヴィア葛飾U18)が登場し、地域の子どもたちに大きな影響を与えました。早くから日本代表として活動している彼の姿は、若い選手たちに大きな刺激となり、共生スポーツへの関心を高めました。エキシビションマッチは盛況のうちに進行し、天候にも恵まれました。
第2部:トラッソスとのビーチボールゲーム
第2部では知的障がい児・者を支援するNPO法人トラッソスが中心となり、ビーチボールミニゲームを開催しました。一緒に楽しむことを大切にする環境が醸成され、参加者は障がいの有無や年齢を超えて交流を深めました。リガーレヴィア葛飾レディースの選手たちも参加し、参加者全員でゲームを楽しむ様子は、スポーツが持つ「誰も取り残さない力」を体感させてくれるものでした。
第3部:ロービジョン体験会
特別ゲストとして、ロービジョン/ブラインドサッカー日本代表の西山乃彩さんが参加し、実体験を交えてコミュニケーションやプレーについての豊富な知識を教えてくれました。また、視覚的な障害を疑似体験できるゴーグルを使った体験も用意され、参加者は視覚に頼ることの難しさを理解する貴重な時間を持ちました。西山さんと一緒にのミニゲームでは、見え方が異なっても楽しめるスポーツの多様性が強調されました。
障がい者就労支援のコーヒー販売
また、イベント中には障がい者就労支援施設「SRM江戸川」がコーヒーの出張販売を行いました。利用者が焙煎や袋詰めに関わったコーヒーは来場者の皆さんに好評で、福祉とスポーツが交わる素晴らしいひとときを提供しました。
参加者の声
参加者からは「手話を使って試合に臨むことで気持ちが伝わった」といった感想や、「見えづらい状態でのプレーは想像以上に難しかった」との声が上がり、お互いの理解を深める貴重な機会となりました。地域団体のスタッフからは、「障がいの有無にかかわらず楽しめる空間ができていた」とも評価されました。
主催者からの感謝の言葉
イベントを主催した株式会社オーエンスは、参加者全員の笑顔や真剣なプレーを通じて共生社会の実現を願っています。障がい者アスリートの競技姿勢は、地域の価値観を変えるための素晴らしい要素です。次回の開催に向けて、さらなるフットサルコートの充実を図っていく意向を述べました。
今後の展望
今後は、共生スポーツイベントの定期開催や教育機関向けのプログラム、福祉連携の拡大を目指すとのこと。最新の取り組みが進化する中、スポーツを通した包括的なコミュニティの形成に向けた期待が高まっています。