医療的ケア児も映画を楽しむ新たな試み
2024年4月21日、TOHOシネマズ ららぽーと横浜にて、『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』上映会が行われました。このイベントは医療的ケア児および障がい児が安心して映画を楽しめるために、全国22会場での開催が決定しており、その背景には数多くの想いがあります。
医療的ケア児とは?
医療的ケア児とは、日常的に医療処置を必要とする子どもたちを指します。彼らは人工呼吸器やその他の医療機器を使用して生活しています。厚生労働省のデータによれば、現在日本には約2万人の医療的ケア児が存在し、社会全体で彼らの支援が求められています。
NPO法人AYAの取り組み
この上映会を主催しているのはNPO法人AYAで、彼らのミッションは「スポーツ・芸術・文化を通じて、子どもたちの世界観を広げる」こと。そのため、医療的ケアが必要な子どもたちとその家族に、映画鑑賞以外にもバスケットボール観戦や海水浴などさまざまなイベントを提供しています。2023年度には33回のイベントを実施し、延べ1,368名が参加した実績があります。
映画上映会の誕生
医療的ケア児やその家族から「映画館で映画を観たい」という願いが寄せられたことが、今回の上映会のきっかけです。通常の映画館では、周囲に迷惑をかけることを気にして映画を楽しむことが難しいことが多く、彼らにとって映画鑑賞のハードルは非常に高いものでした。そこで、映画館を貸し切り、安心して楽しめる環境を整えることが必要だということが始まりの一歩となったのです。
安全で安心な映画鑑賞環境
上映会では、医師や看護師が会場に常駐し、緊急時の対応を行います。これにより、映画館側も安心して開催を受け入れることができる環境が整いました。これまでに3回の上映会が実施され、参加者からは「周囲を気にせずに楽しめた」「医療従事者がいることで安心できた」という声が寄せられています。
今後の予定
2024年には『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』を全国13会場で、さらには『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』を全国12会場で、そして『モアナと伝説の海2』を全国10会場で予定しています。
2025年の上映会概要
2025年にはさらに多くの上映が予定されており、医療的ケアを必要とする子どもたちとその家族が楽しく過ごせる時間を提供すべく、詳細な会場や日時も発表されています。
参加対象は医療的ケアが必要な子どもたちや障がいを持つお子様とその家族で、上映中の医療機器の音が鳴ることや声が出ることがあっても理解していただける方が主な参加者となります。このイベントにおいては、病気や障がいの有無に関係なく、参加が可能です。
参加費用とボランティア募集
参加費用は、車いす席が1,000円、一般席も同額です。特にボランティアの協力も求めており、医療関係者や学生も対象となっています。イベントの趣旨に賛同いただける方はぜひご協力をお願いします。
NPO法人AYAは、医療的ケアが必要な子どもたちがスポーツや芸術、文化を通して新しい体験を得られる場を提供し、彼らの成長を支援しています。これからも、思い出に残る楽しい経験を提供するイベントを続けていくことでしょう。