除雪支援システム「SRSS」が最優秀賞を獲得
令和7年度東北地方整備局管内業務発表会において、ダイナミックマッププラットフォーム株式会社のグループ会社であるAxyzが提供する除雪支援システム「SRSS」に関する論文が最優秀賞を受賞しました。この受賞は、除雪作業の効率化と安全性向上を実現する技術の革新が評価された結果です。
除雪作業の現状と課題
岩手県の有名な観光道路「八幡平アスピーテライン」は、毎年春になると雪による美しい「雪の回廊」を形成します。しかし、その背後には過酷な除雪作業が存在します。積もった雪が最大8メートルに達するこのエリアでは、作業員の安全と効率が大きな懸念です。
長年の経験と勘に頼る除雪作業は、特に強風や視界不良な条件下では非常に危険で、指標木の破損や高齢化した作業員に関連する問題も浮上しています。これらの要因が重なり、効率的な作業を妨げています。
SRSSの導入と技術的革新
これらの問題を解決すべく、岩手県はSRSSを導入しました。SRSSは、最新の高精度3次元データを駆使したガイダンスシステムであり、タブレット端末にセンチメートル級の正確な情報を提供します。このシステムは、山間部や荒天時でも安定した性能を発揮し、効率的な除雪作業を可能としました。
働き方改革への寄与
SRSSの導入によって、作業時間の短縮が実現し、作業員は週休2日を確保できるようになりました。また、危険箇所や隠れた障害物の事前把握が可能になり、作業の安全性も格段に向上しました。これは、作業者がより安心して作業に集中できる環境を作り出したことを意味します。
コスト削減も実現
従来、300本必要だった指標木の数を100本に減らすことができ、補充コストと手間を大幅に削減することに成功しました。信頼性の高いSRSSが、これまでの作業プロセスを根本から変えつつあります。作業員からは好意的な意見も多く寄せられており、様々なレベルの作業者が自信を持って作業に取り組むことができるようになったと評価されています。
未来への展望
ダイナミックマッププラットフォームは、SRSSを通じて除雪作業のイノベーションをもたらすだけではなく、さらなる技術革新を目指しています。今後も高精度なデータを活用し、社会課題の解決に貢献していく姿勢を崩しません。
この度の最優秀賞受賞は、除雪作業分野における新しいスタンダードを築く一歩といえるでしょう。さらなる発展が期待されます。