自動車整備業界の未来を担う高校生へ
2025年10月2日、愛媛県立宇和高等学校で行われる特別な講座が、高校1年生を対象に実施される。この講座は、株式会社ナルネットコミュニケーションズとビズピット株式会社、京都機械工具株式会社(KTC)との共同企画として開催され、文部科学省のDXハイスクール事業の一環となっています。
この業界研究講座では、自動車整備業界の実情や最新の技術について、学生たちに直接伝える機会が設けられます。自動車業界は現在、まさに大変革の渦中にあり、特に電動化や先進運転支援システム(ADAS)の進展に伴いうる変化に迅速に対応する必要があります。これからの整備士は、ただの機械整備ではなく、ITや電子制御に関する知識も求められる時代に突入しています。
自動車整備業の本質
しかし、いくら技術が進歩しようとも、自動車整備の本質は変わることはありません。「人とモノの移動を安心・安全に支える」役割は、今後も重要であり続けます。自動車整備の世界は、常に進化していますが、それに対する期待と責任は変わらないのです。
深刻な人材不足
現状、自動車整備の業界は深刻な人材不足に直面しています。特に若手整備士の減少が顕著で、整備士の平均年齢も上昇し続けています。このままでは、将来的な技術継承が困難になる危機感があります。デジタルネイティブ世代の高校生たちには、未来の整備士として活躍する期待が寄せられています。
「油まみれ」「重労働」といった古典的なイメージを払拭することが、この講座の大きな目的です。自動車整備は、最新の診断機器を使った故障診断やデータをもとにした予防整備、さらにはお客様とのコミュニケーションといった多様なスキルを必要とする創造的な仕事であることを伝えたいと考えています。
産学連携の意義
今回の取り組みは、異なる専門分野をもつ3社が連携し、若手人材の育成に貢献する意義深い活動です。生徒たちには、整備業界の現状や将来的な方向性だけでなく、社会インフラを支える仕事のやりがいに触れてもらうことで、キャリア選択を考えるきっかけとなることを目指しています。
講座の具体的な内容
講座では、次のような内容が含まれています。まず、ビズピット株式会社の小野社長による整備業界の基礎知識に関する講義、その後、ナルネットコミュニケーションズによる自動車整備工場の仕事の流れについての解説が行われます。そして、KTCからは最新の工具や技術に関する話が展開されます。
最後には質疑応答の時間を設け、生徒の疑問に直接答えることで、より深い理解を促進します。高校生たちが自動車整備事業の進化を知り、「移動」を支える仕事への興味を持つことを期待しています。
まとめ
この産学連携の試みは、愛媛県における自動車整備業界の活性化にもつながることを願っています。将来的には、近隣の地域でも同様のプログラムを展開することで、より多くの若者が自動車整備業界に興味を持ち、次世代の整備士として成長してくれることを期待しています。若い力が地域の移動インフラを支える未来を、一緒に築いていしょう。