個展「Bug-Fi」
2025-08-20 12:56:03

大野修の個展「Bug-Fi」が展開する音楽と視覚の交錯

大野修の個展「Bug-Fi」 - 音楽とアートの共演



2025年9月3日から9月27日まで、東京・西麻布にあるアートスペース【WALL_alternative】で、大野修の待望の個展「Bug-Fi」が開幕します。これは彼にとって2年ぶりとなる個展であり、47点以上の新作が一堂に会する貴重な機会です。

大野修のアートへのアプローチ



大野修は、「衝動」を創作の原動力とし、プラスチックや使用されなくなった楽器など、身近な人工素材を活用する「ブリコラージュ」という手法を駆使しています。この技法を通じて、彼は現代の文化や音楽カルチャーの要素を作品に組み入れ、既存の枠を超えた独自の造形を生み出しています。彼が作り出す彫刻には、実験的でありながらも、過去の経験や現代社会の縮図が詰まっています。

特に本展では、「三角錐」という記号に焦点を当て、立体を構成する最小単位としての意味を掘り下げています。大野の象徴的なシリーズ《Chunk》は、多様な形が重なり合った作品であり、観る者に深い物語性を感じさせます。展覧会では、三角錐とブリコラージュが織りなすコントラストを通じて、観客に新たな感覚、すなわち「バグ」を呼び起こす仕掛けがなされています。

展示内容とサウンドアートの融合



会場には、《Chunk》シリーズから4点の作品を含む、約40点以上の新作が展示されます。また、特筆すべきは、1990年代のオルタナティブロックシーンからの影響を受けた大野の作品制作の日常を録音した音源と、音楽家・梅原徹とのコラボレーションによるサウンドアート作品です。このサウンドアートは展覧会のインスタレーションとして体験できますが、音源は特別パッケージに収められ、販売される予定となっています。

オープニングレセプションと特別イベント



初日にはOPENING RECEPTIONが開催され、アーティスト自らも会場に登場します。アートに触れるだけでなく、大野修の言葉や考えを直接聞くことで、作品に込められた思いをさらに深く理解する良い機会となるでしょう。また、9月13日には大野と梅原によるトークと、自作の楽器を用いた特別演奏が行われる予定です。

福岡とのコラボレーション



さらに、会期中には併設されるバーで大野の出身地である福岡県のワイナリーとのコラボレーションメニューが提供され、福岡産の食材を用いた特別メニューも楽しむことができます。音楽と食、アートの融合を体験できるこの機会は、参加者にとって忘れがたい体験となるでしょう。

展覧会のタイトル「Bug-Fi」



「Bug-Fi」は、音響機器の性能を示す「Hi-Fi」や「Low-Fi」から派生した造語で、技術的な誤りや欠陥を意味する「バグ」の概念をアートに取り入れています。大野は、素材のミスマッチや製作過程における不具合に目を向け、それらを美の側面として捉えることで、作品に新たな深みを加えています。また、「バグ」は破壊と再生の象徴としても重要なテーマです。彼のアートは、欠陥を許容し、楽しむことで、日本古来の美意識「侘び寂び」にも通じる思想を表現しています。

この展覧会を通じて、アートと音楽が交ほして生まれる新たな体験をぜひお楽しみください。現代の彫刻と音楽の新しい形を体感する絶好のチャンスが、ここにあります。興味深い作品群とその背後にある真摯な思想に触れてみてはいかがでしょうか。


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