新調達プラットフォーム
2025-04-08 11:03:02

IHIが導入した調達データプラットフォームUPCYCLEの効能と期待

IHIが導入した調達データプラットフォームUPCYCLEの効能と期待



A1A株式会社が手がける製造業向け調達データプラットフォーム「UPCYCLE」が、株式会社IHIの車両過給機事業部に導入された。この革新的なシステムは、調達・購買業務の見積もり査定の効率化を図ることで、適切なコスト管理を実現すると期待されている。

UPCYCLE導入の背景


IHIは、中期経営計画において業務プロセスの改革やデジタル基盤の高度化を進めることで、業務効率を高めることと、固定費および変動費の削減を目指している。この背景には、自動車や産業機械向けにターボチャージャーを製造するSBUの調達部門がある。

同部門では、適正価格での調達を実現するために、業務の効率化と精度の向上が求められていた。しかし、近年の物価上昇に伴い、コストに関する情報が十分に蓄積されていない状況が続いていた。これが、原価管理や価格妥当性の判断を難しくしており、迅速な対応が求められている。

UPCYCLEの機能と効果


この課題を解決する手段として、IHIの調達部門は「UPCYCLE」の導入を決定した。このプラットフォームは、見積もりなどのコスト関連情報を一元管理することを可能にする。具体的には、AI-OCR技術を用いて見積書に記載された情報を構造化し、多様な視点から見積もりを分析することができる。また、見積書の比較が容易になり、コストダウンの余地を見つけやすくなる。

2024年12月からは、見積明細情報に加え関連する図面やコミュニケーション履歴もデータベース化される予定だ。これにより、類似図面の検索機能も実装され、設計部門や原価企画部門との連携が強化される。データを利用した原価管理の高度化が進むことで、製造業の競争力が一層強化されるだろう。

IHIの取り組みと今後の展望


IHIの車両過給機SBUの部長、小林伸久氏は、「我々の部門では、広範な製品ラインナップを持ち、それぞれの地域で強みを活かしたグローバルなビジネス展開を行っている」と述べている。原価分析を強化し、透明性を確保するための取り組みが急務であり、UPCYCLEによってコスト変動要因の可視化が進む。「調達組織を強化し、販売価格への影響をしっかりと把握していきたい」とも語った。

A1A株式会社は、これらの取り組みを通じて、製造業の調達業務のデジタルトランスフォーメーションを促進し、日本のものづくり産業に貢献することを目指している。

IHIとA1Aの連携によって、製造業の調達業務がどのように変革されるのか、今後の動向に注目が集まる。どれだけ迅速かつ効率的にコスト管理ができるかが、競争力を決定する鍵となるだろう。


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