くにおんフォルテピアノの魅力
2025-04-09 13:25:06

国立音楽大学の新たな宝「くにおんフォルテピアノ」の誕生と魅力

国立音楽大学の新たな宝「くにおんフォルテピアノ」の誕生



国立音楽大学 楽器学資料館が、大学創立100周年にあたる記念事業として新たに誕生させた「くにおんフォルテピアノ」。このフォルテピアノは、18世紀の名匠アントン・ワルターが製作したオリジナル楽器を元にした複製品です。特筆すべきは、この楽器の制作に使われた材木が、同大学キャンパスにあったシンボルツリーから取られたものである点です。



製作を手がけたのは、同大学の講師であり鍵盤楽器製作家の太田垣至氏。彼の手により、この楽器は新たに生命を吹き込まれ、コンサートやサマースクール、企画展など多彩なシーンで活用される予定です。大学の持つ理念「くにおん新世紀」に応じて、学生や訪問者が試奏できる機会も提供されます。



複製楽器の重要性



国立音楽大学の楽器学資料館では、数多くの19世紀フォルテピアノを所蔵しており、これを通じて鍵盤楽器の歴史を学ぶ授業や演奏研究が行われています。しかし、モーツァルトやベートーヴェン初期の作品を深く理解するためには、18世紀後半のフォルテピアノが必要不可欠です。



オリジナルの楽器数が少なく、大切な楽器の保護が求められる現代において、複製楽器は教育と研究の現場で重要な役割を果たします。この「くにおんフォルテピアノ」は、学生にとって貴重な学習の道具となるだけでなく、一般の方にもその魅力を伝えることが期待されています。



お披露目コンサートとイベント



「くにおんフォルテピアノ」の完成を記念したお披露目コンサートは、2025年4月18日に国立音楽大学の講堂小ホールで開催されます。無料で参加可能ですが、事前の申し込みが必要です。このコンサートでは、ピアニストの久元祐子氏がレクチャーを行い、フォルテピアノ特有の音色や演奏技法について解説。さらに、ヴァイオリンの永峰高志氏、ソプラノの長島剛子氏とともに、18世紀の楽曲の魅力を体感することができます。



また、ポーランドのピアニスト、トマシュ・リッテル氏によるリサイタルも同年6月27日に行われます。リッテル氏は、世界的に権威のある古楽コンクールでの受賞歴を持つ実力派の奏者。この公演では、「くにおんフォルテピアノ」を使用し、モーツァルトやベートーヴェンの名曲を演奏します。



さらに、12月11日にはフォルテピアノのレクチャーコンサートが開催され、平井千絵氏が古典派音楽についての解説を交えながら演奏します。これらのイベントを通じて、フォルテピアノの世界が多角的に探求されることでしょう。



企画展やサマースクールも


同大学では、2025年の展示会「ピアノ製作家たちの偉業 ~古典派の作曲家が求めたピアノと音楽~」が開催され、4月16日から7月30日まで期間中、学内の資料館で開催される予定です。また、学生向けのフォルテピアノサマースクールも計画されています。



国立音楽大学が持つこの新たなフォルテピアノは、音楽教育の未来を担う重要な役割を果たすことでしょう。音楽愛好家や学生にとって、刺激と学びの場を提供する貴重な資源となることが期待されています。


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