教材の新たな展開、アニメーション第二弾の魅力
国際パラリンピック委員会(IPC)が公認する教育教材『I’mPOSSIBLE(アイムポッシブル)』の日本版が、待望のアニメーション教材の第二弾を発表しました。小学生、中学生、高校生向けに分かれたこの教材は、「公平」のテーマに基づいており、無料で利用可能です。
「公平」について考える学び
新しいアニメーション教材は、パラリンピックが重視する4つの価値の一つである「公平」に焦点を当てています。この教材を通じて、児童・生徒は公正な競技環境の構築方法や、ルールや用具の工夫、サポートの仕方を学ぶことができます。アニメーションは、導入からまとめまでしっかりと授業を進行し、理解を深めていきます。
グループワークを通じて、子どもたちが自発的に考察できるよう工夫が施されており、この協働的な学びは児童・生徒同士のつながりをより強くすることを目指しています。ICTを活用することで、探究的な学習や道徳的価値についても深く掘り下げることができる内容になっています。
子どもたちの反応
導入校での感想からは、小学生が「みんなで遊ぶときは全員が楽しむことが大切」と再認識したり、高校生が「違いについて理解し、それに寄り添うことが皆を幸せにする」と感じたりしたことが伺えます。さらに、教師たちからは、教材を通じて生徒たちが積極的に考える姿勢を持つようになったという声も多く寄せられています。
教材の特徴
このアニメーション教材には以下のような特徴があります。
1.
アニメーション映像: 一方的な知識提供にとどまらず、自分なりの答えを考えさせるストーリー。
2.
児童・生徒自立型デザイン: 学び進められるように設計された使用ページ。
3.
教師用サポートページ: 授業イメージがつかめるようなリソースを提供。
4.
既存教材の更新: システムや教師向けページが一新されています。
実際の学びの流れ
小学生版は、みんなでドッジボールを楽しむ工夫を考慮しながら「公平」について学習します。ICTを用いた考えや議論のための時間も設けられています。加えて、プラスアルファ映像では車いすラグビーの内容を桃園の倉橋香衣選手のインタビューを通じてより深い理解を促進しています。
中学生・高校生版では、日常生活の中での「平等」と「公平」の違いについて考え、問題解決を図る活動が展開されます。ファストフード店での事例を通じて、誰もが同じ出発点に立てるような工夫を話し合っています。この教材はICTや様々な視点からの考察を通じて、深く学び合う機会を提供しています。
教材の背景と理念
『I’mPOSSIBLE』は、さまざまな障害を持つアスリートが活躍し、共生社会を築くための視点を提供するものです。その内容は、東京2020パラリンピック競技大会を契機に、日本の教育現場においてより身近に感じられるように設計されています。「私はできる」というメッセージは、ほんの少しの考え方や工夫で不可能を可能にするという信念を持ち、教育の現場において重要な意義を持っています。
このように、『I’mPOSSIBLE』日本版は、ただの教材ではなく、子どもたちが公正さを意識し、仲間の違いを認識するための強力な道具となるでしょう。次代を担う子どもたちが共生社会を深く理解し、実際の行動に移せることを目指して、今後も教育活動の推進に努める必要があると思います。