サッカー選手に必要な「考える力」を育む新しいアプローチの提案

2025年1月31日、RUN.EDGE株式会社が主催するセミナーが開催され、サッカーにおける「考える力」の重要性とその育成方法が議論されました。近年、サッカー指導者は選手の主体性を重視する傾向が強まっており、セミナーではその解決策として具体的なアプローチが提案されました。

セミナー概要と背景

セミナーのテーマは、「考える力がサッカーを変える！選手の可能性を広げる考える力の育て方」です。RUN.EDGEが提供するアプリ「FL-UX」を通じて、多くの指導者が「指示に従うだけでなく、自主的に考えて行動できる選手を育成したい」との課題を抱えていることから、このセミナーが企画されました。

登壇者たちは「現代サッカーに合った選手の育成方法や、「考える力」を伸ばすための具体的なアプローチ」について話し合い、実際のエピソードや事例を交えつつ、生徒が考える力をどう引き出すかについて知見を深めました。

現代サッカーに必要な「考える力」

登壇者による重要性の説明

まず、小池昌矢氏は、「考える力」の背景にあるVUCAの時代について説明しました。選手たちがプロとして活躍する中でも、その90％以上がセカンドキャリアに不安を抱えていることから、サッカーで得た知見を社会でどう活かせるかが重要だと言います。積極的な考え方や逆算思考を持つことで、選手の成長が促進されるという見解が示されました。

現場での育成具体例

川口良輔氏は自身の経験をもとに、今の選手に求められる資質について解説し、川崎フロンターレのアカデミーでのコミュニケーションの重要性を強調しました。「わからないことをそのままにせず、説明を求める姿勢」が「考える選手」の特長であり、自分の意見を持ち、それを他者に伝える力の育成がキーポイントとのことです。

白石通史氏は、Jリーグでの具体的な育成法を紹介し、自身が意識していた「選手の頭の中を整理する方法」を4つのステップに分けて説明しました。1. プレイの振り返り 2. 課題の明確化 3. 成功イメージの共有 4. 実践と反復という過程を通じて選手が納得・共感できるよう育成に取り組んでいるとのことです。

最後に、小湊隆延氏は、FL-UXを日常的に利用する産業能率大学サッカー部の例を挙げ、選手同士の意見交換を促進することで選手の考える力が向上した事例を共有しました。