動画配信時代におけるテレビ番組の視聴動向を探る
テレビ番組の視聴方法に大きな変化をもたらしているのは、やはり動画配信サービスの普及です。今回、TVS REGZA株式会社は、その視聴データを元にした分析を行い、特に「番組流入出データ」に着目しました。このデータを元に、関東の民放キー局で放送されている5つの人気番組を対象にした視聴実態を詳しく解析しています。
1. 分析の背景
動画配信サービスの台頭により、視聴者の見方は以前とは比べ物にならないほど多様化しました。テレビのリモコンにおいても、直接配信サービスにアクセスできるボタンが欠かせない存在となり、今では視聴者が地上波とネット動画を自由に行き来することが常識になりました。そうした現状の中で、地上波番組は今もなお自らのコンテンツ力を維持しているのか、また視聴者がチャンネルを選ぶ理由を探ることは、放送局にとって非常に大切な課題です。
2. 合わせて見えてきた視聴行動
テレビ局の視聴者が、特定の番組を見るために配信から地上波へ切り替える行動はどれほど存在するのか。これを捉えることは、テレビコンテンツの価値を測る重要な視点です。レグザの視聴ログを活用することで、視聴者のリアルな行動を秒単位で記録し、現代の視聴傾向を明らかにします。
3. 注目した視聴傾向
今回分析対象にしたのは、日本テレビが放送する「月曜から夜ふかし」、TBSの「水曜日のダウンタウン」、テレビ東京の「シナぷしゅ」、テレビ朝日の「報道ステーション」、そしてフジテレビの「全力!脱力タイムズ」という5つの人気番組です。これらの番組に共通する視聴行動は、大きく2つのカテゴリに分けることができます。
目的視聴
この番組は、22時から放送されておりながらも、良好なリアルタイム視聴率を記録しています。視聴者は「YouTubeやVODから地上波に切り替えて見る」という目的意識を持っていることが多く、この時間になると多くの視聴者がテレビの前に集まるようです。
こちらの番組も強い求心力を示しており、めいめいの視聴者は「この番組を見るためにチャンネルを合わせている」というデータが確認されました。特に、番組が終了した後には他局に流れず、そのまま電源をオフにする世帯が多いことも分かりました。自らの目的を持って視聴している様子が推測されます。
この幼児向け番組も目が離せません。同じようなターゲット層からの流入があり、特に「Eテレ」からの視聴者が確認されています。つまり、親たちは「この番組を見せたい」と思ってチャンネルを合わせているのです。
文脈の回遊
視聴者の趣味や好みに寄り添った行動も見えてきました。この番組の視聴者は、直前まで放送されている「ニュースウオッチ9」から流入してくることが多く、「ニュースを見たい」という目的で自然に他の報道番組へと移動します。
こちらは、報道番組をパロディ化したユニークなバラエティ番組です。報道ステーションからの流入が多く、視聴者がニュースに関連した文脈の中で笑いを求めている姿が伺えます。
4. まとめ
TVS REGZAのデータ分析からは、動画配信サービスの台頭にもかかわらず、特定の番組を見るためにPCやスマホからシームレスにテレビへ戻る視聴者が一定数いることが明らかになりました。視聴者の多様なニーズに応えるためには、魅力的なコンテンツ制作が鍵となると言えます。テレビ業界全体の発展には、これが重要な示唆です。今後も原動力となる視聴データを活用して、より良いコンテンツ制作を続けていきたい考えです。