TM NETWORK 40周年ライブ、横浜アリーナからの感動のフィナーレ
昨年、デビュー40周年を迎えたTM NETWORKが、そのアニバーサリープロジェクトを見事に締めくくるライブを横浜アリーナで開催しました。この特別なパフォーマンスは、WOWOWにて5月31日に独占放送される予定です。本記事では、4月8日と9日に行われたライブの模様を詳しくお届けします。
TM NETWORKは2021年に活動を再開した際、「再起動」のテーマのもと、40周年に向けた多角的なアプローチで多くのファンを魅了してきました。特に「FANKS intelligence Days」と名付けられた一連のイベントには、40本に及ぶロングランのツアーが含まれており、多くのファンと感動を共有しました。さらに、大晦日に行われた一夜限りのライブは、ファンへの感謝の気持ちを直接伝える貴重な場でありました。2025年からは新しいツアー「YONMARU+01」に突入し、その最終公演となった横浜アリーナは、特に彼らの歩んできた道のりをすべて表現する場となりました。
ライブの始まりは壮大なインストゥルメンタル「+01」。巨大LEDスクリーンには、海を背景にした太陽の昇る映像が映し出されます。やがて映像の中の3人が前方に向かって歩き出し、次第に仮想空間から現実へと変わっていく演出が繰り広げられました。オープニング曲は新曲「We Can’t Stop That Way」。未来に向けた期待感を乗せ、力強いメッセージを届けます。続けて、彼らのデビュー曲「金曜日のライオン」やセカンドアルバムの「永遠のパスポート」など、懐かしい名曲が次々と披露され、40年の歴史が一本につながっていることを再確認させられました。
特に印象的だったのは、2002年にリリースされた「Castle In The Clouds」。この曲は、暗く不安定な時代を生きる人々へ捧げる賛歌でもありますが、コロナ禍以降の現実とも深い関連があると感じさせるものです。このように、TM NETWORKの曲は時代を超えてリスナーにメッセージを伝えているのです。
2014年のアルバム『QUIT30』からも数曲が演奏され、多発する紛争や環境問題に対する交流的な映像が用いられ、聴く人に強烈な刺激を与えました。「Alive」では共感と連帯を呼びかけ、進化を遂げた彼らの音楽性が印象的に浮かび上がりました。その後、フォーキーなメロディが聴衆の心に響く「Show My Music Beat」では、当時の思い出を振り返りつつ、深化したコード進行やメロディに引き込まれます。特に印象的なのは、間奏で宇都宮と木根が共演するシーンで、観客との絆が更に深まる瞬間でした。サポートスタッフへの感謝を歌った「Good Morning Mr.Roadie」もまた、彼らの人間性豊かな一面を垣間見せてくれました。
その後のシンフォニックなイントロから始まる「LOUD」と、ハウスミュージックアレンジの「Dive Into Your Body」では、変化と進化こそがTM NETWORKの真髄であることを証明する力強い演奏が繰り広げられました。「Screen Of Life」では、アカペラから始まる新しい試みで、歌詞の重要性が強調されており、ファンにとっても印象深い瞬間でした。
ライブが進むにつれて、国民的なヒット曲「Resistance」「Get Wild Continual」「Self Control」が続けざまに披露され、それぞれが新たな解釈を交えて進化したことが感じられました。「Carry on the Memories」では、40年経っても色あせぬ彼らの情熱がサビに込められ、想いを確かめ合う瞬間が心に響きました。
最後のインスト曲「Last Encount」が終わると、映像演出が再び美しい海の景色に戻り、昇っていた太陽が静かに沈んでいく様子が映し出されます。このラストシーンは、日常の大切さや未来への希望を見事に表現しており、観客に深い余韻を残しました。
TM NETWORKのライブは、クラシックやプログレッシブロック、エレクトロ、ハウスミュージック、フォークソングなど幅広いジャンルを取り入れた、まさに最先端のライブエンターテインメントでした。40周年を迎えその集大成を形にしたこのライブからは、彼らの未来への期待がふくらむばかりです。これからもTM NETWORKの音楽から目が離せません。