金型補修における国際的な技術連携
愛知溶業株式会社と株式会社明和製作所が新たな技術連携に踏み切りました。両社は、金型の補修事業に関して覚書(MOU)を締結し、金型溶接補修技術の進化とグローバル市場への展開を目指しています。
ギガ・メガキャスト技術の普及
近年、自動車業界を中心に「ギガ・メガキャスト技術」が急速に広がっています。これは従来複数の部品をつなぎ合わせる手法から、1つの鋳造で車体パーツを製造する新技術です。この技術は、中国や北米市場が主導して普及しており、新興国への導入も進んでいます。特に、中国市場の関連規模は2021年の85億元から、2025年には323億6000万元に達する見込みです。
この技術革新により、金型補修もより高い技術力が求められるようになり、両社はこの変化に適応するための連携を強化しています。
技術連携の目的
愛知溶業と明和製作所の提携目的は、金型補修における国際的な技術連携を強化することです。両社はそれぞれの強みを生かし、以下の目標を掲げています。
1.
技術共有と相互成長
愛知溶業は明和製作所が展開する成長市場へ技術を提供し、新たな市場獲得を目指します。また、明和製作所は愛知溶業の一貫した補修ノウハウを活用し、海外市場での差別化を図ります。
2.
国際共同事業の基盤構築
両社は、レーザー溶接機器の販売やレンタルを通じて、金型補修体制を強化します。この協力により、国際市場での競争力がさらに高まります。
3.
知見の還元と循環型ものづくり
海外での経験を日本国内に還元し、品質の高い補修を通じて「使い続けられる金型」の実現を目指します。
今後の展望
両社の協力によって、モビリティ産業の変革に対応するための協力体制を構築し、金型の長寿命化と安定した品質向上を目指します。また、ギガ・メガキャスト技術の普及に備え、国内での受注増加にも迅速に対応できる体制を整えていく方針です。
各社代表のコメント
株式会社明和製作所 代表取締役 大矢知公則氏は、今回のMOU締結により技術力向上と信頼性の高い金型補修を実現する意向を示し、愛知溶業との協力を通じて耐久性のある金型設計を目指すと語っています。
愛知溶業株式会社 代表取締役 市川修氏は、今回の提携を喜び、グローバル市場での金型補修サービスの差別化を図りつつ、循環型モノづくりの実現に貢献する姿勢を強調しました。
企業概要
株式会社明和製作所
- - 設立:1979年
- - 所在地:三重県三重郡菰野町
- - 専門:ダイカスト金型の設計・製作・メンテナンス
- - 公式サイト:meiwa-jpn.co.jp
愛知溶業株式会社
両社の取り組みにより、金型補修技術の発展と国内外での産業競争力の強化に期待が寄せられています。