イ・ランの新エッセイ集『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』が描く家族の物語

イ・ランの新たな旅立ち

2025年9月25日、日韓で多方面にわたり活躍する音楽家イ・ランの最新エッセイ集『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』が発刊されます。本書は、家族というテーマを中心に、自身が経験したさまざまな出来事を通じて、人間関係の複雑さや感情、そして自由の追求について真剣に向き合った作品です。

イ・ランの多彩な活動

イ・ランは、ミュージシャン、エッセイスト、イラストレーター、映像作家といった多彩な肩書きを持つアーティストです。彼女の半生は波乱万丈で、ソウルの助産院で生まれた彼女は、早い段階で学校に通えなくなり、路上に身を置くことを余儀なくされました。それでも彼女は、創作活動を通じて独自の声を見出し、国内外で多くの人々から支持を受けてきるのです。

エッセイ集の内容

本書の中心には、「文藝」2022年春季号に発表された衝撃的なエッセイ「母と娘たちの狂女の歴史」があります。この作品を通じて、イ・ランは自身の母親との関係や、家族に対する複雑な感情を赤裸々に語っています。特に、彼女の母親が周囲の期待や圧力にどう影響されてきたのか、またそれが自分自身にどう作用したのかを深く掘り下げています。

家族が描く地獄

斎藤真理子訳による本書には、姉の突然の死や愛猫との別れ、自身の家族の歴史が織り交ぜられており、非常に個人的でありながらも普遍的なテーマに迫っています。韓国の歴史や文化的背景に基づいて書かれたこのエッセイ集は、「個人的なことは政治的なこと」だというメッセージを呼び起こします。

このエッセイ集は全19編で構成されており、愛と死、そして家族に対する思索を通じて、読者に深い感動をもたらします。日本語による翻訳は浜辺ふうによって行われ、作品の多様な表現が際立っています。