音楽が導く共生の未来、DUMIプログラムの狙い
社会の中で音楽が果たす役割は計り知れません。それは単なるエンターテインメントにとどまらず、教育やコミュニティづくり、さらには社会課題の解決に至るまで多岐にわたります。そんな中、2025年4月から8月にかけて実施された音楽プログラム「DUMI(デュミ)」は、特に注目すべき存在です。このプログラムは音楽を用いて社会的な問題にアプローチし、全ての人が共存する場を目指しています。
DUMIプログラムの背景
DUMIとは、フランス政府によって創設された音楽家向けの専門資格「Diplôme Universitaire de Musicien Intervenant」の略称です。この資格を持った音楽家は、小学校や幼稚園などで教師と連携し、音楽教育の質を向上させる使命を担っています。 DUMIの活動が特に展開される音楽プログラムでは、年齢や国籍、障がいの有無に関わらず、誰もが参加できる環境が提供され、共感や創造性を育成することを重視しています。
株式会社アンライクは、一般社団法人日仏DUMI協会と提携し、DUMISTE(DUMI資格保持者)である柳澤藍氏を講師に迎えたプログラムを展開しています。
プログラムの内容とテーマ
DUMIプログラムは、月ごとに異なるテーマが設定されています。
参加者たちは、ビニール袋や木の卵を使って、音を出さずに集中する活動に取り組みました。この体験を通じて、音を待つことの重要性や、静けさの中で自分の感性を見つめることを学びます。
子どもたちは触覚を通じて、さまざまな素材をオノマトペで表現しました。この過程では、聴覚に障がいのある子どもたちも参加し、体感的に音を理解し、共有することができました。
ヴァイオリン奏者やメゾソプラノ歌手を招いての音楽体験で、子どもたちは他者との音楽の共有を楽しみました。
音叉やトーンチャイムを使って、音の振動を視覚的に捉え、自作のオリジナル楽譜を作成することで、音楽の新たな側面を体験しました。
サンプラーを使用した即興作曲に挑戦し、子どもたちが自らの声や楽器の音を録音しながら、グループで音楽を創っていく楽しさを味わいました。
DUMIの参加者の声
参加した子どもたちからは、「音を出しても出さなくても楽しい時間だった」「みんなが個性豊かな音を出していて楽しかった」との感想が寄せられました。彼らは、日常ではなかなか得られない体験を通じて、自分自身の表現や創造性を大きく広げることができたようです。
また保護者からも「子どもが自由に考え、表現する姿が印象的だった」「音に対する理解が深まった」といった声があり、DUMIのプログラムがもたらした影響の大きさが伺えます。
音楽を通じた社会貢献
DUMIプログラムを通じて、参加者は音楽のスキルを高めるだけでなく、他者と共感し、共創する力も育むことができます。音楽という共通の言語を用いて、年齢や障がいに関わらず、多様な人々がつながることができるのです。
株式会社アンライクは、「音楽であらゆる孤立をなくす」というミッションのもと、DUMIの理念を広め、音楽を通じた新しい価値を提供し続けています。
DUMIはただの音楽教育プログラムにとどまらず、社会の課題に真正面から向き合う力強い手段なのです。音楽が持つ力を体感し、共に生きる喜びを感じられるこのプログラムは、今後さらに多くの人々に広がっていくことでしょう。