J.D. パワー 2025年日本自動車セールス顧客満足度調査結果の概要
2025年、日本の自動車業界における顧客満足度を測るべく、J.D. パワーが実施した調査の結果が明らかになりました。この調査は今年で24回目を迎え、多くのユーザーの声を反映した内容となっています。その結果、ラグジュアリーブランド部門でBMWが、マスマーケット国産ブランド部門でマツダがそれぞれ一位を獲得しました。
調査によれば、総合満足度スコアは726ポイントで、前年比で6ポイントの上昇が見られました。特に、店舗施設・サポート、契約手続き、商談、納車の各ファクターではそれぞれ734ポイント、733ポイント、721ポイント、717ポイントを記録。ラグジュアリーブランドの平均スコアは778ポイントであり、マスマーケット国産ブランドは722ポイントでした。
デジタルツールの重要性
近年、自動車業界ではデジタル化が進んでいます。特に商談の場面において、デジタルツールの活用が密接に関連していることが調査結果から確認されました。商談の際、45%のセールス担当者がパソコンやタブレットを利用していることが明らかになり、デジタルツールの浸透が顕著です。このツールを用いた商談では満足度スコアが743ポイントで、全体の平均を22ポイント上回る結果となりました。
さらに、製品を実際に確認できる場面も顧客にとって重要です。「車のカタログやパンフレット」の利用は44%で、次に「販売店の展示車や試乗車」が39%と多くの人が実車を通じての確認を求めていることがわかりました。これに対し、展示車の充実度に関しては依然として課題があります。
セールス担当者の対応が鍵
調査の中では、購入理由においてセールス担当者の対応が重要な要素となっていることも示されました。「セールス担当者や商品アドバイザーの対応がよかった」との回答は、リースや残価設定型ローンを利用した顧客において特に高く、それぞれ52%と48%の評価を得ています。これは、顧客が価格面よりもサービスの質を重視していることを示唆しています。
高評価を得たブランド
2025年の調査で、高評価を得たブランドのランキングも注目されています。ラグジュアリーブランドにおいて、BMWは789ポイントで首位を獲得し、「納車」や「商談」での評価が高く、次いでレクサス(785ポイント)やメルセデス・ベンツ(778ポイント)となりました。一方、マスマーケット国産ブランドではマツダが764ポイントでトップに立ちました。
このように、顧客満足度向上に向けた各ブランドの取り組みや、デジタルツールの活用が今後ますます重要な要素となるでしょう。新車購入時の顧客体験は、情報量を増やすだけでなく、顧客にとって意味のあるものにすることが求められています。ディーラーやブランドは、顧客のニーズを理解し、デジタルとリアルを融合させた体験を提供することが必要です。
今後の展望
まとめると、2025年のJ.D. パワー日本自動車セールス顧客満足度調査は、デジタルツールの導入やセールス担当者の質が顧客満足に直結していることを明らかにしました。今後、各ブランドはさらなる改善策を講じ、顧客の期待を高めながら進化していくことが求められます。