持続可能なモビリティ社会を楽しむ スーパーフォーミュラの新たな挑戦
全日本スーパーフォーミュラ選手権は、持続可能なモビリティ社会の実現に向けて新たな一歩を踏み出しました。株式会社日本レースプロモーション(JRP)が、電気計測機器の大手、小野測器とのパートナーシップ契約を締結し、2025年シーズンのSUPER FORMULA参戦車両から排出される二酸化炭素(CO2)を、カーボンオフセットすることが発表されました。
この取り組みは、モータースポーツ界においても持続可能性を追求していく姿勢を示すものであり、特に2021年から始まった「SUPER FORMULA NEXT50(ネクスト ゴー)」プロジェクトの一環となります。このプロジェクトでは、カーボンニュートラルを目指し、レーシングマシンのボディにバイオコンポジット素材を取り入れ、約75%のCO2削減を実現しています。
このバイオコンポジット素材は、麻由来の天然素材を使用しつつ、同等の剛性と軽量感を保持しています。また、SUPER FORMULAでは、レーシングタイヤにおいても天然由来の配合剤やリサイクル素材を用い、平均46%の再生可能原料・リサイクル原料を使用することを達成しています。これにより、タイヤの性能を損なうことなく、環境に配慮する取り組みを進めています。
カーボンオフセットの具体的な取り組み
さらに、小野測器が持つ「J-クレジット」を活用することで、SUPER FORMULAに参戦するすべての車両が排出するCO2をオフセットする計画が立てられています。2025年に開催される全戦では、ガソリン使用量から算出した173.5トン分のCO2をオフセットする見込みです。このJ-クレジット制度は、環境省や経済産業省が運営しているもので、家庭や企業における温室効果ガスの削減を目指す施策です。
小野測器の背景
小野測器は1954年に創業し、電気計測機器の製造販売を主な業務としてきました。自動車産業へも幅広くかかわり、特にHondaのF1レース活動では技術的にサポートし、多くの成功を収めてきました。最近では、電動車両の開発を支援することで、カーボンニュートラル社会の実現に向けたビジネス拡大にも取り組んでいます。
未来のモータースポーツを見据えて
この発表は、モータースポーツがいかに持続可能な形で進化していけるかを考えるきっかけでもあります。JRPと小野測器のパートナーシップは、未来のレースシーンに新たな風を吹き込むことでしょう。これからのスーパーフォーミュラの活動に注目し、持続可能なモビリティ社会の実現に向けた道を共に歩んでいくことが期待されます。