神奈川県の海藻を活用したカーボン循環モデルが実現する持続可能な未来
株式会社ドリブンテクノロジーズが、神奈川県内の海域で創出された「ブルークレジット」を購入したことを発表しました。この取り組みは、製造業の活動と海洋環境の再生を結びつける新しい価値創造モデルの構築を目的としています。
背景
近年、海藻や海草からなる「藻場」は、CO₂の吸収と貯留を行うブルーカーボン生態系として注目を集めています。しかしながら、海水温の上昇や藻食生物の増加、さらには栄養不足による影響から、神奈川県沿岸地域では藻場の衰退が進行しています。この状況を改善するためには、藻場を再生し、そのCO₂の吸収量を適切に測定・評価し、環境価値として活用できる仕組みが求められています。
新たに開発された藻場モニタリング手法では、自律航行する水中ドローンとAI技術を用いて、このCO₂吸収量を測定。神奈川県としては、国内で初めてJブルークレジットとして認証されることに成功しました。この技術革新によって、ブルーカーボンの価値創出とその活用の拡大が期待されています。
ブルークレジットの購入とその背景
ドリブンテクノロジーズが購入したブルークレジットは、江の島と城ヶ島の海域における藻場の保全・再生によって創出されたCO₂吸収量を基にしたものです。
具体的には、城ヶ島海域由来の11.1トン、江の島海域由来の8.6トン、総計19.7トンのCO₂分のクレジットを取得しました。このクレジットは、同社が推進する事業活動に伴うCO₂排出のオフセットに使用される他、2026年6月に神奈川県横浜市の新オフィスでの運営にも活用される計画です。このオフィスは、分野や立場を超えての協創やイノベーションの創出を目的としています。
製造業とブルーカーボンの融合
IJTTグループでは、鋳造や鍛造などの製造プロセスから生じる副産物の有効活用に取り組んでおり、最近では海洋環境への展開が注目されています。神奈川県内では産学官の連携のもと、藻場再生に関する実証事業が進行中で、鋳造工程での副産物を用いた海洋資材の開発や藻類の成長促進に関わる技術検証も行われています。
ブルークレジットの購入は、これらの実証と連携しており、製造業の副産物を活用して藻場を再生し、CO₂を吸収、クレジット化し、最終的には事業へ活用するという循環型モデルの一環です。このモデルは、環境問題解決と経済活動の両立を目指すものを示しています。
持続可能な未来に向けて
今後の展望として、IJTTグループは実証事業を通じて創出される環境価値をさらにクレジット化し、地域でのブルーカーボン循環モデルの構築を進める計画です。この取り組みにより、自然資本の再生と経済活動の両立を実現し、持続可能な社会への貢献を目指します。
神奈川県の担当部長である穂積克宏氏は、この取り組みが地域の漁業団体などとの結びつきを強化し、持続可能な海洋環境の実現に寄与することに期待を寄せています。これは、ブルークレジットの流通・活用が進むことで、さらなる環境保護につながるからです。
会社概要と今後の展望
株式会社ドリブンテクノロジーズは、IJTTグループ内で新規事業の創出を担う会社として、環境・エネルギー・資源循環の分野での事業開発を進めています。2026年には神奈川県横浜市に新たな拠点を設置予定であり、協創の場を通じて、様々な分野でのイノベーションを推進していく考えです。
このブルーカーボン循環モデルを通じて、製造業と環境価値が結びつく新しいビジネスの在り方を示し、持続可能な未来を切り開いていく挑戦が始まっています。