ホクレンDCとウェーブライトの挑戦：栃澤亨インタビュー

北海道で開催されるホクレン・ディスタンスチャレンジ（以下、ホクレンDC）は、競技者はもちろん、観衆も巻き込む大きな盛り上がりを見せる行事です。2023年から導入された新しい技術、ウェーブライトがこのイベントの体験を大きく変えています。本記事では、ウェーブライトの導入に尽力した栃澤亨さんにお話を伺いました。

栃澤亨の経歴とホクレンDCとの出会い

栃澤さんは日本体育大学を卒業後、水泳やライフセービングの競技に真剣に取り組み、様々なスポーツイベントの設立と運営に携わってきました。彼のキャリアの中でも特に光るのは、東京2020オリンピックに向けたトレーニングキャンプの運営協力です。2022年にはアジア初となるウェーブライトの導入を果たし、陸上界の固定観念を打破するような挑戦を続けています。

302020年からホクレンDCでウェーブライトを使用することになりました。ウェーブライトはオランダのWavelight Technologies社の製品で、走者のペースを明確に示す新技術です。初めて導入されたのは2022年11月の大会で、その後、多くの中長距離大会で採用されるようになりました。栃澤さんは、ウェーブライトの魅力を伝えるために多くの陸上関係者の協力を得ながら、導入の道を切り開きました。

ウェーブライトの意義と効果

栃澤さんによると、ウェーブライトは単に選手のパフォーマンスを向上させる道具ではありません。「良い記録が出るのは選手自身の力が最も重要ですが、ウェーブライトが条件を整える手助けをしています」と強調しました。長距離レースでは、ペースを一定に保つことが勝利に繋がるため、ウェーブライトの役割は非常に大きいのです。

また、ウェーブライトは観衆やコーチ、サポーターにとっても便利です。従来のアナウンスではわかりづらかったレースの進行状況が、光によって一目で分かるようになります。「選手の走りに合わせて熱い応援が送れる」「観客の共有体験が深まる」と栃澤さんは力説しています。その結果、多くの人にとって、陸上競技がより魅力的に感じられるようになりました。

設営とメンテナンスの工夫

ウェーブライトの設置は、緻密な計画と準備が不可欠です。設営には約3時間を要し、選手が快適に競技できるよう、LEDライトを等間隔で取り付ける必要があります。設営時の注意点や、設置後のメンテナンスについても栃澤さんから貴重な insights をお聞きしました。

「故障が発生しないように、予備のLEDライトを用意しておくことが重要です。また、出場選手が気にならず自然に走れる環境を整えるための努力は欠かしません。」と語る栃澤さんは、選手ファーストの姿勢を貫いています。