マレリが軽量化イノベーション賞を受賞
自動車業界のグローバルなモビリティテクノロジーサプライヤー、マレリが「LeanExhaust」システムにより、名誉ある軽量化イノベーション賞を獲得しました。この授賞式は2025年11月13日、ミシガン州オーバーンヒルズにて開催された第9回マテリアル・イノベーション・サミットの中で行われました。
持続可能性を追求する技術
SAA(自動車アナリスト協会)による軽量化イノベーション賞は、自動車業界における持続可能性や効率性の追求に寄与する革新的な製品や技術を表彰するものです。マレリが開発したLeanExhaustは、ハイブリッド車を含む内燃エンジン搭載車両の軽量化とコンパクト化のニーズに対応する、コスト効率が高い排気システムです。
このシステムは、従来の排気システムと比較して全体で16kgもの重量削減を実現しており、騒音や排出ガスの制御性能も従来品と同等以上の水準を誇ります。また、製造工程の改善により、排出される二酸化炭素量を52%も削減することが可能です。これは、一般的な車両において85kgのCO2削減に繋がります。
先進的なコンポーネンツ
LeanExhaustには、「デュアル・レイヤー・コンバーター」と「マイクロ・ホール・デザイン・マフラー」という革新的かつモジュール式の2つの構成コンポーネンツが含まれています。これらの部品は両方とも重量と容積の削減に寄与しています。
デュアル・レイヤー・コンバーター
このアーキテクチャにより、三元触媒コンバーターとガソリン・パティキュレート・コンバーターが一体型パッケージとして構成され、重量を45%、容積を46%削減することが可能になりました。さらに、エンジンの冷機始動後に迅速に理想的な作動温度に達し、EV走行中でも温度を維持できます。これにより、ハイブリッド車両やEVシステムで求められる熱および騒音の制御性能も実現しています。
マイクロ・ホール・デザイン・マフラー
このマフラーは、特殊な微細孔加工を施した中央チューブとバッフルプレートを用いることで、従来使用されていたリサイクルできないグラスウールを排除しています。その結果、重量が最大27%、容積は最大15%削減され、従来と同等のエアフロー・ノイズ低減を実現します。さらに、耐久性に優れた薄肉ステンレス鋼を使用することが可能になりました。
イノベーションによる持続可能な未来
LeanExhaustは、先進的な素材を用いたシンプルかつ柔軟なソリューションを提供し、従来のシステムに比べて継続的なコスト削減が期待できます。これはマレリのプラットフォーム戦略とも一致しており、自動車メーカーに対して先進的な技術基盤を提供し、顧客のニーズに応じてカスタマイズ可能な製品を実現しています。
特にLeanプラットフォームは、部品点数を減らし持続可能性や早期の導入対応を目指しています。マレリのグリーンテクノロジー事業部プレジデント、小林秋司はこの受賞について、「私たちの技術への献身と創造性の証です。LeanExhaustは新たな排気システムの設計と製造のベンチマークとなります」とコメントしています。
他の受賞内容
同時に、マレリはハイブリッド・サスペンション・システムで「特別賞(Honorable Mention)」も受賞しました。このハイブリッドシステムは、前方ダイナミクスを制御するために2つのアクチュエーターを搭載しており、従来の油圧システムと比較して性能を損なうことなく重量を57%削減することができる点が特徴です。
このように、マレリは革新と持続可能な技術の推進に取り組み、より良い自動車の未来を築くために邁進しています。