島根県グラントワ20周年記念公演、魂神楽が新たな光を放つ！

島根県グラントワ20周年記念公演『魂神楽（みたまかぐら）モモチヨロズヨ』

2025年11月23日、島根県芸術文化センター「グラントワ」が開館20周年を迎え、それを記念する特別公演『魂神楽（みたまかぐら）モモチヨロズヨ木花之佐久夜（このはなさくや）と建御名方（たけみなかた）』が開催される。この舞台では、島根県伝統の演芸である石見神楽の新たな形が観客を魅了することが予想されている。

公演の概要

公演は、石見神楽を代表する若手舞手集団「万雷」によって彩られ、特別出演には演歌界の巨星、小林幸子が登場。彼女の歌唱力はもちろん、舞台における存在感にも期待が寄せられている。さらに、元NGT48の本間日陽や、伝統音楽の竹本織太夫、若手尺八奏者RYOに至るまで、多彩なアーティストが集結。これまで県外でその名を馳せてきた万雷が地元に凱旋する意義深い公演となる。

共同プロデュースを手掛けるのは、歌舞伎の脚本家・演出家、戸部和久氏。彼は、石見神楽と他ジャンルの融合に力を入れ、観客に心に残る体験を提供することを目指す。本公演では、神話の世界を舞台にした物語が語られ、日本の神々に捧げる音楽と舞が織り交ぜられる。

舞台の見どころ

物語は、「国受け」から始まるタケミナカタの旅を描き、『紅葉狩』や『大蛇』の名場面もちりばめられている。特に注目は、小林幸子が演じるサクラガミ（コノハナサクヤ）とタケミナカタの軸で進む物語が、伝統の神楽に新たな視点をもたらす点だ。演出には、世界的に評価されるクリエイティブ集団「MPLUSPLUS」がLED照明テクニカル協力を行い、視覚的にも圧巻の演出が期待される。

観客とのふれあい

主催者であるいわみ芸術劇場の館長、木原義博氏は、この公演が地域の若手精鋭チームと連携し、石見神楽の魅力を広く発信する機会になると語る。また、戸部氏は「伝統と先進の二刀流」で、本公演には神楽の本質を大切にしつつ、新しい表現を取り入れていると強調。観客には、従来の神楽とは一線を画す新しい形態を体感してもらいたいとの意気込みを示した。