新潟の相撲部が挑戦する栄養価高い金芽米の実証実験
新潟県糸魚川市に位置する新潟県立海洋高等学校の相撲部が、栄養価の高い金芽米を導入して健康や環境への影響を探る実証実験を実施します。このプロジェクトは、一般社団法人熱中学園の手助けを受け、東洋ライス株式会社の協力により行われることになりました。
この実験は2025年4月から約3ヶ月かけて、1トンの金芽米を食べることで進められます。目的は、コメを通じての生徒の健康面や環境への配慮を検証することです。
背景と目的
海洋高校相撲部は、大関・大の里の出身校として知られていますが、近年、部員たちには十分な栄養が行き渡るような食事を提供することが課題となっていました。生徒の体づくりに必要な栄養と費用のバランスを見直すため、主食としてのコメを改めて考察する機会を得ました。
特に、生徒一人当たりのコメ消費は月に約350kgにも及び、健康的な食事を維持するためには、質の高いコメの選定が重要です。そこで、東洋ライスの金芽米に注目しました。
金芽米とは?
金芽米は、東洋ライスが開発した特別な精米技術によって製造されます。この方法では、胚芽の一部を取り除きつつ、栄養価や旨味成分が豊富な「亜糊粉層」を残しています。そのため、美味しさと栄養の両立が実現されています。
この名称は、胚芽部分が「金の芽」のように見えることから名付けられました。このような高品質のコメを取り入れることで、生徒の栄養状態にどのような変化があらわれるのか、非常に期待が高まります。
具体的な実証内容
今回の実験では、以下の3つのポイントを重点的に検証します。
1.
栄養価の高い金芽米を食べた生徒の体調変化: アンケートを用いて、生徒たちの体調やエネルギーの変化を確認します。
2.
食べ残し量の減少: 約10%のコメ減でも美味しさが残るため、無駄を減らす取り組みを行います。
3.
環境への配慮: 無洗米を使用することで、洗浄時に必要な水や、廃棄物の削減効果を見ていきます。
この実証実験は、一般社団法人熱中学園の「食の熱中小学校」の一環として運営されています。このプログラムは、地方の生産者を訪問し、地産地消の大切さを学ぶ実習ツアーの中でも進められます。
新潟県の糸魚川市は、豊かな自然と特徴的な食文化が息づく地域であり、相撲部の活動も地域の支援を受けて大きく成長してきました。
総監督の想い
相撲部の総監督である田海哲也氏は「相撲にとって食事は稽古と同じく重要」と提唱しています。生徒たちは毎日、朝・昼・夕の5食をしっかりと摂取し、健全な身体作りに努めています。
特に、金芽米を提供いただくことは、大きな運営支援となり、部員たちの成長にもつながることでしょう。田海監督は、「食事の質向上で、生徒たちが相撲に集中できるようサポートしていきたい」との思いを述べています。
この取り組みに注目が集まる中、相撲部と食の熱中小学校が連携し、地域と共に歩んでいく未来に期待が寄せられています。