アストンマーティン V12ハイパーカー Valkyrie がWEC開幕戦デビュー
2025年2月25日、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦に、アストンマーティンの新型ハイパーカー「Valkyrie」が堂々のデビューを果たしました。このレースは1812kmに及び、自動車レース史に新たなページを加える瞬間となりました。
Valkyrieは、アストンマーティンとして初めての「ル・マン・ハイパーカー」(LMH)で、WECの最高峰クラスで唯一の公道仕様ハイパーカーをベースにしたモデルです。国際舞台での初お披露目となるこのレースに向け、アストンマーティンTHORチームは準備を重ね、歴史的シーズンの始まりを迎えています。
Valkyrieの特長
競技バージョンのValkyrieは、アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズによって生み出され、量産モデルのスタイルを反映した競技専用に最適化されたカーボンファイバー製シャシーを搭載。コスワースによって開発された6.5リッターV12エンジンを搭載し、最高出力は680bhpに制限されるものの、そのパフォーマンスは圧倒的です。エンジンは困難なレース条件を乗り越えるための強靭さを持っています。アストンマーティンは、WECに2012年から出場し続け、数々の選手権タイトルを獲得した実績を持つ、信頼のおけるメーカー。このValkyrieによって、過去の栄光を再び手に入れるチャンスが訪れました。
ドライバー陣の布陣
007号車には、イギリスのベテランレーサーと若手選手を組み合わせた精鋭ドライバー陣が揃い、過去の成功を背負い未来へ向かっています。ベテランのハリー・ティンクネルは、若手のトム・ギャンブルとの組み合わせで新たなレースに挑むとのこと。また、カタール1812kmとル・マンにおいては実績豊富なロス・ガンが加わります。
一方、姉妹車009号車には、FIA WEC GTクラスでのタイトル獲得経験を持つマルコ・ソーレンセンと、アレックス・リベラスがペアを組みます。彼らの経験と技術は、チームに強力な武器をもたらします。特に、カタールとル・マンの長距離レースでは、2022年IMSA GTDチャンピオン、ロマン・デ・アンジェリスも合流し、チーム力をさらに引き上げます。
各ドライバーの意気込み
ドライバーたちの間には高い期待感が溢れています。ティンクネルは「新型Valkyrieを初めてレースで走らせることに非常にワクワクしている」と語り、自身の復帰場所がカタールであることを喜ばしく感じています。ギャンブルも、この素晴らしいプロジェクトの一員となることを誇りに思い、結果を出すために全力を尽くすと明言しています。
チームのビジョン
THORチームの代表イアン・ジェームズは、Valkyrieデビューを「特別な瞬間」と表現し、挑戦を続けながら成長していくことが大切だとコメント。また、アダム・カーターが強調するように、Valkyrieのもつ技術と魅力を武器に、レーシングシーンでの地位を確立する自信があります。これらの要素が手を組むことで、アストンマーティンはスピリッツを受け継ぎ、WECの舞台で輝くことを目指しています。
この新たなハイパーカーが、本シーズンどのような成果を見せてくれるのか、注目です。ファンは世界中でその走りを見守り、さらなる歴史を共に刻むことになるでしょう。2025年のレースシーズンでの成功を期待し、Valkyrieの成長を楽しみにしましょう。