被爆79年を迎えたヒロシマの平和の声、英語版配信開始

広島は人類史上初の原爆投下の地であり、この街が抱える歴史とその教訓は、今もなお人々の心に重くのしかかっています。テレビ新広島(TSS)は、核兵器廃絶と平和の実現を目指し、数十年にわたって特別な番組を制作してきました。その中でも、「Hiroshima Peace Program TSSアーカイブプロジェクト」は特に意義深い取り組みとなっています。2024年8月6日、被爆79年を迎えるこの日、TSSが放送した『託されし人たち～被爆79年約束の時～』の英語版が、2025年8月21日から世界に向けて配信されることが発表されました。

被爆者の現状とその声

2024年3月末の時点で、広島の被爆者の数は約10万6,800人、これまでの15年間で約13万人減少し、平均年齢は85歳を超えています。今まさに、彼らが体調面で厳しい現実に直面している中、次世代への証言や平和のメッセージの伝承は急務です。今回の番組の主人公となる3人の被爆者たちは、異なる背景を持ちながら共通して持つのは「平和への強い信念」です。

制作背景と狙い

番組のディレクター、宮崎隆史氏は、取材を進める中でその厳しい現実を感じました。「被爆者はいつかいなくなる。この先、誰が彼らの体験を伝えていくのか？」という問いが彼の心に芽生えたのです。被爆者が徐々に高齢化し、次第にその数が減っていく中、私たちはどれだけの情報を保ち、どうやってそれらを次世代に繋げていくのでしょうか。この番組は、その疑問の答えを探る一つの手段なのです。

番組の魅力と意義

番組では、以前にTSSが取材した被爆者の映像を交えながら、異なる状況に置かれた3組の被爆者と伝承者の思いが語られます。彼らの声を通じて「平和とは何か？」というメッセージが視聴者に届けられるのです。それぞれの立場から語られる彼らの体験は、単なる歴史の一部ではなく、私たち全員にとっての未来を考えるきっかけとなります。

未来に向けて

今回の配信を通じて、広島の被爆の実相がどれほど多くの人々に影響を与え、どう受け継がれるべきかを考える貴重な機会となります。そして、このメッセージが再び平和を願う人々の心にしっかりと根付くことを願っています。次世代が自らの声で伝えていく重要性を感じ、彼らの思いを受け継ぐことがどれほど大切であるかを引き寄せる役割を果たすことでしょう。広島の平和を願う気持ちを全国、そして世界へと広げていくために、私たちもこの番組を通じて行動を起こしていきたいものです。

公式ホームページでは、番組の詳細や制作陣の紹介も掲載されています。より多くの方にこのメッセージが広がることを願っています。TSS テレビ新広島の公式サイトをぜひ訪れてください。