新たな整備の形
2025-09-17 11:34:24

オートバックスセブンとの連携で進化する「FLEET PITLOCK」制度の新展開

オートバックスセブンとの連携で進化する「FLEET PITLOCK」制度の新展開



三菱商事エネルギーの子会社であるFLEET PITLOCK株式会社(以下、FPL)が、オートバックスセブン株式会社からの出資を受け入れ、新たなシステムの開発に注力しています。この取り組みは、自動車業界における整備士不足と業務の効率化を目指し、より良い作業環境を整えることを目的としています。

1. 背景と現状の課題



日本の自動車整備業界は現在、大きな課題に直面しています。特に整備士の数が減少し続けており、平均年齢も上昇しているため、業界の人手不足は深刻な問題とされています。また、整備工場のバックオフィス業務も重量を増し、整備士が本来の作業に集中できない状況が続いています。

2024年にはリース車両が新車登録台数の17.2%を占め、その多くが法人リースという形で増加傾向にあります。法人リース車両は個人所有の車両に比べて、より多くの整備や点検が必要となるため、整備工場では対応に追われています。しかし、現在のシステムでは複数のリース事業者に合わせる必要があり、業務が煩雑化してしまっています。これらの事務作業が整備士の本来の作業時間を圧迫し、より大きな問題を引き起こしています。

2. 「FLEET PITLOCKシステム」の登場



このような状況を踏まえ、FPLは業界全体が共通で利用できる「FLEET PITLOCKシステム」を開発しています。このシステムの主な機能は、以下の4つです。

1. 一元管理機能


各リース会社からのメンテナンス依頼データを収集し、整備工場が一目で確認できるようになります。これにより、各社の異なる条件に対応する手間が軽減されます。

2. スケジュール管理機能


メンテナンス対象の車両を自動的に検索し、スケジュールの管理が容易になります。これにより、作業の効率が飛躍的に向上します。

3. データ連携機能


整備基幹システムとの連携が可能になり、メンテナンス依頼情報や請求情報のやり取りがスムーズになります。

4. 請求機能の一元化


メンテナンス報告と請求に関する情報を一元化。これにより、請求業務が簡素化されます。

さらに、このシステムが普及していくことで、整備士の負担が減り、本来の整備作業に集中できるようになります。

3. 今後の展望



FPLは、オートバックスセブンとの連携により、メンテナンス業務の導入・普及を加速させる予定です。2023年10月には新機能がリリースされ、11月上旬から本格稼働が始まります。また、オートバックスセブンの支援により、整備業務を担う整備工場の効率化を支える体制づくりも進めています。

今後は、業界のエコシステムを築き、整備士不足や業務の効率化に取り組んでいく姿勢が期待されています。複数の業界大手が協力することで、持続可能な整備体制が確立されることを目指しています。

4. まとめ



FLEET PITLOCKが解決しようとしている整備業界の問題は、単なる業務の効率化だけにとどまらず、業界全体の未来に関わる重要な課題です。自動車整備業界が抱えるこれらの課題に対して、デジタル技術を駆使した包括的な取り組みがなされることで、今後の展望は明るいといえるでしょう。これからの動きに注目です。


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