舞台『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』製作発表の様子をレポート！

舞台『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』製作発表レポート

2026年1月に開幕予定の舞台『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の製作発表が、フランス大使公邸にて行われました。この作品は、日本の著名な作家、村上春樹の小説を原作としており、世界初の舞台化となります。登壇したのは、藤原竜也を筆頭に、森田望智、宮尾俊太郎、富田望生、駒木根葵汰、島村龍乃介、池田成志、さらに演出・振付のフィリップ・ドゥクフレです。

製作発表の場では、キャストたちがこの作品に込める想いや、稽古の進捗について語り、それぞれが演じるキャラクターについての思いを披露しました。藤原は、自身の役である“私”を通じて、物語の二つの世界を表現することに挑戦していると語り、フィリップとの共同作業の重要性を強調しました。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は、“ハードボイルド・ワンダーランド”と“世界の終り”という異なる二つの物語が同時に進行する作品です。藤原が演じる“私”は、計算士として暗号技術を駆使しつつ、奇妙な運命の坩堝を travers します。彼の隣で、森田望智の演じる司書や魅力的な女性像のもと、物語の中で求めるものが何なのか、探求を続けます。

森田自身は稽古を通じて、様々なキャストとの交流から刺激を受け、役に対しての捉え方を日々更新しています。彼女は「彼女」や「司書」という役割を通じて、二つの世界の接点を形作る意義に気づいています。また、宮尾俊太郎も言語を超えた表現の力に注目し、舞踊を通じて物語の深層心理を体現しようとする意思を表明しました。

富田望生は、「ピンクの女」というキャラクターへの興奮を隠さず、その多様な解釈の中でどのように自身の作品に色を加えていくか楽しみにしているとコメントしました。役に対する答えが見つかるまでの過程が演技の醍醐味であると強調しました。

また、駒木根葵汰と島村龍乃介の二人は、役に対するアプローチが異なりつつも、互いに高め合っている姿勢が印象的でした。彼らは、作品全体を一つのチームとして作り上げている感覚を楽しんでおり、舞台の完成が待ち遠しいと語ります。

フィリップ・ドゥクフレは、自身の演出への期待と、初めての舞台化に挑む難しさを率直に述べ、村上春樹の豊かな世界観をどう表現するかに挑む姿勢を見せました。稽古がまだ始まった段階ではありますが、彼の持つ創造的なビジョンから、作品に対する強い信念が伺えます。

さらに、本作は日本公演後、シンガポール、中国、イギリス、フランスの四カ国を巡るワールドツアーも行われる予定です。各国の主催者からのメッセージも発表され、国際的な舞台でも期待が高まっています。日本国内では2026年1月10日から東京公演を皮切りに、宮城、愛知、兵庫、福岡で順次上演されます。

この制作発表をもって、舞台『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』への期待は高まり、観客たちがどのようにこの物語を受け入れるかが今から楽しみです。