天王寺楽所雅亮会が海外公演を実現するための資金調達を開始

天王寺楽所雅亮会が海外公演のためのクラウドファンディングを実施

一般社団法人雅亮会、通称天王寺楽所雅亮会が、2008年以降待望の海外公演を実現するために、クラウドファンディングを用いた資金調達を始めました。その舞台は、カナダのトロント大学とアメリカのカリフォルニア大学です。公演の目玉は、古典的な舞楽『還城楽（げんじょうらく）』。目標金額は100万円で、支援者には特典も用意されています。

背景と経緯

このプロジェクトは、文化庁の文化芸術振興基金から719万円の助成金を受けているものの、それがカバーするのは演奏者の渡航費と宿泊費のみ。そのため、楽器や装束の運送費用を賄うための追加資金が必要であるため、クラウドファンディングが選ばれました。募集期間は令和7年6月25日までで、それまでに100万円を集めることを目指します。

輸送コストの課題

楽器の運送には特別な配慮が必要です。特に打楽器（鞨鼓や太鼓、鉦鼓）や絃楽器（楽筝や楽琵琶）は、大きなケースに入れてしっかりと保護する必要があり、その分コストがかさみます。また、楽器の本体も高価なので、保険料も重くのしかかります。

プロジェクトの詳細

このプロジェクトを通じて、全額を楽器装束の運送費と保険料に充てる予定です。支援者には、11月に大阪フェスティバルホールで行われる雅楽公演会のチケットや、四天王寺の鼉太鼓がデザインされたアクリルキーホルダーなどのリターンが予定されています。ここ数年間、雅楽公演会では落語家の桂吉坊がナビゲーターを務め、親しみやすい形で雅楽の魅力を伝えています。今年の特別ゲストには元宝塚歌劇団の北翔海莉も登場予定です。

今後の展開

プロジェクトの成功後は、9月下旬にトロント大学とカリフォルニア大学で約1週間、天王寺舞楽のレクチャーと公演が行われます。

理事長からのメッセージ

理事長の小野真龍氏は、今回の招聘を受けて「北米の学生たちに天王寺舞楽を紹介したい」との意気込みを語りました。文化の多様性を理解してもらうためにも、この公演を実現させる必要があります。しかし、現在の為替相場の影響で想定外の高額な運搬費用が発生してしまい、支援が必要不可欠です。ぜひ多くの方々にこのプロジェクトを支えてもらいたいと願っています。

日本の雅楽文化を世界に広めるため、皆様の温かいご支援をお待ちしています。

一般社団法人雅亮会（天王寺楽所雅亮会）
〒556-0014 大阪府大阪市浪速区大国2-2-27
願泉寺内
電話: 06-6641-0084
E-mail: info@tennojigakuso.org