冨永愛が高知の「いざなぎ流」を体験
昨今、伝統文化の継承が各地で話題になっていますが、今回は冨永愛がその足跡を辿り、高知県香美市物部町に古くから息づく民間信仰「いざなぎ流」を体験する様子をお届けします。毎週水曜の夜10時から放送される「冨永愛の伝統to未来」では、文化の背後にある深い物語を掘り下げていきます。
冨永が訪れたのは「まきの宿」という一棟貸しの宿。この宿では、いざなぎ流の伝統的な御祈祷や舞神楽を体験できるプログラムが用意されています。いざなぎ流は、陰陽道、修験道、神道、そして密教の影響を受けて発展した民間信仰で、その起源は「いざなぎ様」に由来しています。
いざなぎ流の歴史と意義
いざなぎ流を代表する祭文には、占い上手の「天中姫宮」が祈祷を求め、いざなぎ大神から教えを受ける物語があります。この教えを受けた者を「太夫」と呼び、代々伝えられてきたこの信仰は、昭和55年に国指定の重要無形民俗文化財に指定されるまでになりました。
家庭を訪れ、病気を治す「病人祈祷」を行う太夫の姿は、物部町の日常生活で重要な存在であったといいます。病気の際に医療機関ではなく、太夫のもとに祈祷を求める家庭が多かったとされています。しかし今、太夫の高齢化が進む中で、後継者問題が深刻化し、伝統の継承が危機的状況に置かれています。
冨永愛の貴重な体験
冨永愛は、その中でも特に興味深い「御幣切り」の体験をしました。御幣とは祈祷に使われる神や精霊を象徴する紙で、切り方によって、生き幣や死に幣が変わります。「生き幣」の切り方を成功させられるのか、冨永の挑戦はドキドキの瞬間となりました。切り方一つで祈祷の効果が変わるこの神秘的な儀式に、彼女も心を奪われた様子です。
さらに、複数の太夫が集まり、いざなぎ流の舞神楽を披露しました。太鼓のリズムに合わせ、様々な舞を繰り広げるその光景は、まさに神秘的で、冨永自身も「とても不思議で神秘的で、言葉にできない感情が湧いてきました」と語っています。
存続の危機と未来への希望
今年の1月3日には、高知県立美術館ホールで行われた略式御祈祷神楽の公演にも冨永は参加。関係者たちは、伝統的な儀式を守りながらも、若い世代への伝承を模索しています。公演の成功にもかかわらず、佐竹さんは太夫の高齢化から、今回が最後となるかもしれないと語ります。そのような声に触れ、冨永は「いざなぎ流は日本の原風景ともいえる文化で、地域の貴重な宝として未来に繋ぐべき」と感じる瞬間となりました。
この放送は、3月5日と3月12日の2週にわたり、BS日テレで放送されます。番組では、冨永愛が体験した貴重な瞬間やオフショットも公式SNSで配信しているため、ぜひそちらもチェックしてみてください。