東京で体感するオペラの新たな魅力
2025年の秋冬、東京はオペラの熱気に包まれます。公益財団法人東京二期会が手がける『こうもり』と『ファウストの劫罰』の2作品が、共に上演されることが決定しました。いずれも19世紀の作品ですが、恋愛や欲望、自己決定といった普遍的なテーマを描き出し、現代に生きる私たちの心に響くストーリーが展開されます。
『こうもり』〜華やかな舞台での恋の戯れ
『こうもり』は、オーストリアの作曲家ヨハン・シュトラウスⅡ世による喜歌劇です。2025年はこの「ワルツ王」の生誕200年ということもあり、ますます注目が集まります。ウィーンの社交界を舞台に、恋と嘘、仮面、復讐が絡み合いながら展開するのは、まさに大人のラブコメディのような魅力です。
この公演は、ベルリンに拠点を置く名門コーミッシェ・オーパーとのコラボレーションにより実現したもので、欧州の最新演出を体験できる貴重な機会でもあります。演出は、国際的に名を馳せるアンドレアス・ホモキが手がけており、ウィーンの祝祭の美しさに隠された人間の愚かしさをユーモアを交えて表現します。本作品は日本語のセリフに加え、ドイツ語の歌が字幕付きで提示されるため、オペラ初心者でも安心して参加できます。
さらに、指揮を務めるのは、ドイツと日本の血を引く若き才能エリアス・グランディ。これが彼の東京オペラデビュー作となり、彼の新たなスタイルが提示されることを期待されます。
若手のバリトン歌手、黒田祐貴と菅原洋平も出演するこのオペラは、今後のオペラ界を担う存在となるかもしれません。彼らは既に多くのファンを獲得し、歌だけでなく、ステージ映えする容姿でも注目されています。
『ファウストの劫罰』〜心に響く深い交流
一方で、ベルリオーズによる『ファウストの劫罰』は、悪魔と契約を結ぶ男の物語を通じ、自己を超えた理想を求めるシニカルなドラマを描きます。この作品が描くテーマは、現代人が抱えるさまざまな悩み—キャリアや愛、自己肯定感—に共鳴するものです。
演出家の上田大樹によるプロジェクションマッピングを駆使し、映像や音響が一体となった新感覚のオペラ体験を提供します。東京芸術劇場コンサートホールで行われるこの公演では、一体感のある没入型のパフォーマンスが期待されます。
【公演情報】
オペラ『こうもり』
日程:2025年11月27日~30日
会場:日生劇場
オペラ『ファウストの劫罰』
日程:2025年12月13日・14日
会場:東京芸術劇場コンサートホール
2025年、東京で楽しめるこの豪華オペラの公演は、最高のエンターテインメントとなることでしょう。多様な観客層を魅了すること間違いなしの作品に期待が高まります。現代の視点から読み解くオペラの魅力をぜひ一度体験してみてください。