ヴァレオの新世代デュアルインバーターが中国自動車業界に革新をもたらす

ヴァレオの新世代デュアル・インバーターが中国自動車業界に革新をもたらす

高電圧および低電圧の電動パワートレイン分野でリーダーとして知られるヴァレオが、新世代のデュアル・インバーター・ソリューションを中国の大手自動車メーカー2社に供給する契約を締結しました。この契約は、電動化の促進に向けた新しい技術の実装を意味しており、2026年から量産がスタートする予定です。このデュアル・インバーターは、プラグインハイブリッド車（PHEV）に搭載されることが決まっており、今後の市場競争において重要な役割を果たすと期待されています。

ヴァレオ・パワー・ディビジョンのCEO、グザヴィエ・デュポン氏は、「この契約は、ヴァレオのプラットフォーム戦略が確かなものであることを示しており、グループ全体が迅速に顧客の多様なニーズに応える能力を持っていることを証明しています。」とコメントしています。

ハイブリッドシステムの性能向上を実現

自動車産業において、特に電気自動車（EV）やハイブリッド車（HV）において、インバーターは不可欠な役割を果たしています。従来、PHEVやレンジエクステンダーEVでは、トラクション用と発電用のモーターが別々のユニットで処理されていましたが、ヴァレオのデュアル・インバーターはこれらを一つのコンパクトなシステムに統合します。この革新的な設計により、エネルギー損失やコストを削減しつつも、効率性や航続距離、設計の柔軟性を飛躍的に向上させることが可能になります。

さらに、スケーラブルな400〜800Vの設計を採用することで、これまでの400VのEVだけでなく、新たに超高速充電を可能にする800Vモデルにも対応。これにより、自動車メーカーは開発コストを削減しつつ、単一のプラットフォームで多様なモデルを展開できるようになります。

安全性と信頼性を重視

このデュアル・インバーターは、業界最高水準の機能安全規格であるASIL Dを満たすモジュラー設計となっており、最高レベルの信頼性を提供します。これはOEMにとって、車両認証が簡略化され、システム統合における安全性を高める意味を持ちます。第1世代では既に50万ユニット以上が納入されており、この新技術はEVの航続距離や性能に新たな基準を提供します。

ヴァレオの先進技術で新しいモビリティを実現

ヴァレオは、すべての自動車メーカーやモビリティ企業と協力し、よりクリーンで安全かつスマートな移動手段の実現を目指しています。電動化の加速やADASの革新、インテリア体験の再構築など、モビリティ変革における技術的なリーダーとして、同社のイノベーションは今後の発展を加速させるでしょう。

2024年には215億ユーロの売上を見込んでおり、従業員数は109,600人、世界中に155の製造施設と46の研究開発センターを持つヴァレオは、今後数年間でのさらなる成長が期待されています。ヴァレオの新世代デュアル・インバーターは、自動車電動化の未来を支える重要な要素となることでしょう。