マレリ、オート上海2025での革新技術を発表
自動車業界の先駆者として知られるマレリは、2025年のオート上海でソフトウェア定義車両(SDV)に特化した技術を数多く披露します。この重要な展示会は、4月23日から5月2日まで上海国家会展中心(NECC)で開催され、1.2Hホールの1BF009ブースで訪れる者を迎えます。マレリは「Fast Forward. Forward Fast」というテーマの下、特にSDVに焦点を当てた技術を紹介します。
ProZoneの登場
今回注目を集めるのは、マレリが新たに開発したミドル・レンジ・ゾーン・コントロール・ユニット「ProZone」です。このユニットは、熱管理や車体制御、駆動力などの複雑で安全が求められる機能を最大3つのドメインで管理します。自動車アーキテクチャの進化とともに、電子制御ユニット(ECU)の数を大幅に削減し、車両の構造をシンプルにする役割を果たします。
SDVへの移行に伴い、旧来の分散システムからゾーンアプローチへと変革が進んでいます。この新しいアーキテクチャにより、ECUの数は最大100個から平均で20個未満へと減少する見込みです。これは、自動車メーカーが投資に見合った柔軟なソリューションを選択可能にするもので、コストや重量、複雑さを軽減することに繋がります。
マレリの強み
マレリは、車両のソフトウェア機能の約80%をカバーする専門知識を持ち、SDV分野でのリーダーシップを確立しています。彼らの製品は、ソフトウェア、電子ハードウェア、機能コンポーネントを分離した柔軟な作業モデルを採用しており、既存の車両プラットフォームのアップグレードやサードパーティ製品との統合を容易にします。また、2026年までに世界最大のゾーン・コントロール・ユニットサプライヤーとなる計画も示されており、競合他社との差別化を図る姿勢がうかがえます。
顧客中心のパートナーシップ
マレリの社長兼CEO、デイビッド・スランプ氏は、「我々は、顧客が選ぶペースで自動車メーカーを支援する用意があります。我々の柔軟性は、顧客中心のパートナーシップモデルに基づいており、OEMのニーズに応じて常に適応し、進化していくことを約束します」と述べています。
展示のハイライト
会場では、マレリのソフトウェア定義車両において、革新がどのようにコスト効率を高め、機能を加速するかを示す「Velocity Zone」と名付けられたエリアも設けられています。来場者は、事前設定された機能セットを使用して、車両アーキテクチャを自分自身でカスタマイズするインタラクティブなSDVコンフィギュレーターを体験できるほか、AI搭載の車両アシスタント「MyAvatar」によるカスタマイズ可能な没入型ユーザー体験が楽しめます。
次世代のZonesポートフォリオ
オート上海では、「ProZone」という強力で多機能なプラットフォームも初公開されます。これは、独立型のECUを統合し、中央集約型アーキテクチャを実現するもので、全体のコストと重量を削減するだけでなく、将来的にアップグレード可能な真にソフトウェア定義のシステムを提供します。ProZoneは、ボディや照明、パワー配分、診断、駆動力、熱管理、ライド・ダイナミクスなど、最大3つの異なるドメインを一括して管理し、幅広い市場ニーズに応えるスケーラブルなハードウェア・アーキテクチャを特徴とします。
自動車業界の未来を見据えたマレリの挑戦が、オート上海2025でどのように繰り広げられるのか、注目が集まります。