映画『クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』上映会がもたらした希望
NPO法人AYAが主催した、映画『クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』の特別上映会が日本各地で実施され、延べ1,733名の医療的ケア児とその家族が参加しました。この上映会は、2025年の夏に向けたプロジェクトの一環として行われ、8月24日には宮崎セントラルシネマをスタート地点に、全国11の地域で展開されました。
参加者たちからは「親子で温かい気持ちで映画を楽しむことができた」といった感想が多く寄せられ、上映会の意義を実感させる結果となりました。特に、医療的ケアが必要な子どもたちや、その家族が安心して楽しむことができる場を提供することが、このイベントの主な目的です。
AYAインクルーシブ映画上映会の誕生
この心温まる上映会は、「映画館で映画を鑑賞したい」という医療ケア児の母親の一言から始まりました。医療機器の音や、時には声を出さざるを得ない子どもたちが、周囲に迷惑をかけてしまうのではないかという不安から、映画館への訪問を避けることが多かったのです。この状況を改善し、すべての子どもたちが映画を楽しむ権利を手に入れるために、特別に設計された環境を整えるプロジェクトがスタートしました。
実現するには多くのハードルがありましたが、映画館を完全に貸し切り、医師や看護師が同行することで、参加者が安心して映画を楽しめる環境を作り出しました。こうした取り組みが、全国の映画館で成功を収めることとなったのです。
全国各地での上映会の様子
上映会は、8月24日の宮崎からスタートし、福井、青森、埼玉、長野、兵庫、岩手、広島、高知、静岡、鹿児島の全11地域で行われました。各地域では多くの子どもたちが、医療的ケアの必要がある中でも自由に楽しむ姿が見られました。参加した家族からは、スタッフのサポートに感謝する声が多く寄せられたほか、「周りに気を使うことなくリラックスして映画を観ることができて嬉しかった」とのコメントもありました。
特に、鹿児島の上映会では353名が参加し、映画館が盛り上がりました。中には、ここで初めて映画館を体験できた子どもたちもおり、その素晴らしい体験が一生の宝物となったことでしょう。
参加者の声
本上映会には多くの参加者が、心に残る体験を綴っています。参加者の一部の声を紹介しましょう。
- - 「子供が声をあげてしまうため映画鑑賞は避けていましたが、今回一緒に参加できて嬉しく思いました。」
- - 「周囲に迷惑をかけないよう気にしすぎることなく、リラックスして映画を観ることができました。」
- - 「子供と映画館に行けると諦めていましたが、今回参加してとても嬉しかったです。」
これらのコメントからも、上映会がもたらした喜びと安堵感が伝わってきます。
中川悠樹代表の思い
NPO法人AYAの代表である中川悠樹氏は、「これまで実施したことのない地域でも上映会が可能となり、多くの子どもたちに映画の体験を届けられたことに感謝の気持ちでいっぱいです」と語ります。彼は、2025年度内に全国47都道府県での上映会を実現することを目指しています。このような活動が続けられることにより、医療的ケア児や障がい児が社会でより良い生活ができるようになることが期待されています。
そのためにも、今後もより多くの支援や協力を呼びかけ、可能性を広げていくことが求められています。映画の力で心を一つにすることができる、そんな素敵な未来を信じています。