八王子の新たなアート拠点、空間堂シェアアトリエ
八王子市の中野上町に位置する空間堂シェアアトリエは、かつて絹織物会社の場所として賑わっていた歴史がある印象的な空間です。その後一度幕を閉じていたものの、今では再び作家たちが集まり、新たな作品制作の場となっています。ここでは、舟の形を模した特別な織道具がシンボルとなり、このアトリエを「舟」と見立てることで、新たな創作の航海が始まる様を想起させます。
現在、この舟に乗る作家たちは、土地の持つ歴史や自然を反映させた作品を披露しています。展覧会は、金土日祝の期間中に、毎日10:00から17:00までオープンしており、特別な作品やその背景を観る貴重な機会となっております。
出展作家の紹介
イ・ヘリム
韓国出身で日本在住のイ・ヘリムは、時間や記憶という抽象概念をテーマに、自ら漉いた紙を用いて作品を創造しています。彼女は、日常の中で忘れ去られた感情を探求し、紙の層を重ねることでその表現を昇華させています。2024年に多摩美術大学の博士課程を修了予定です。
小野坂葉子
伝統的な絣織技法を使う小野坂葉子は、織物の制作を通じて色や形を武器とし、文様を描く新たな探求を行っています。彼女もまた2024年に多摩美術大学の修了を控えています。
河﨑日菜子
織物作家の河﨑日菜子は、工房「空間堂」に立ち上げに関わりながら、京都に移り住んでその活動を続けています。彼女は風土に根ざした染織文化を深く理解し、人と素材の関わりを重視して作品を作り上げています。
鶴見朋世
素材の組み合わせや構造の奥深さを追求する鶴見朋世は、感覚の拡張を目指す独自のスタイルを確立しています。視覚を超えた対話を模索し、詩的な作品を生み出しています。
松田光二
松田光二は、古い家屋や自然素材を使った造形活動を通じて、人との新たな関係性を探求しています。彼の活動は多様で、現在も若き作家たちと共に作り上げる空間を形作っています。
八王子芸術祭の一環として
この展覧会は、2023年に始まった八王子芸術祭の一環でもあり、地域の歴史や文化を基盤にしたアート体験が展開されています。その中で、旧工場跡や古民家など多様な会場での展示が行われ、美術、音楽、演劇に加え、多彩なプログラムが用意されています。訪れる人々は「旅人」として、八王子の魅力を余すところなく体験することができるのです。
これからも空間堂シェアアトリエにおいて新たなアートの発表が期待されており、訪れるたびに新しい発見が待っています。ぜひ、一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか?