三菱重工が沖縄で車両搬送ロボットの実証試験を実施予定！新技術の未来を探る

新しい時代を迎える自動車運搬技術

三菱重工機械システム株式会社（MHI-MS）は、沖縄県において車両搬送ロボットの実証試験を12月1日に開始する予定です。この試験は、沖縄県の「令和7年度テストベッド実証支援事業」に採択されたもので、完成車を自律的に運搬する技術の可能性を探るものです。沖縄の中城湾港では、自動車メーカー工場やモータープールなどで使用される機能を模した車両搬送ロボットの性能を確認し、今後の自動運搬技術の発展に貢献することを目指しています。

車両搬送ロボットの仕組み

この新しい技術は、車両自体に自動運転機能や通信機能が備わっていない場合でも、自動的に運搬することを可能にします。これにより、例えばショッピングモールやテーマパーク、空港などでの自動バレーパーキングなど、さまざまなシーンで活用できるのです。また、新車や中古車のモータープールでの搬送もスムーズに行えるため、様々な状況下での利用が期待されています。

MHI-MSは、フランスのスタンレー・ロボティクス社と2021年から共同でこの先進的な自動搬送ロボット事業を展開しており、日本固有の環境に合わせたカスタマイズが可能で、国内特許も取得済みです。

沖縄における車両搬送ロボットの必要性

沖縄は20歳以上の人口の車両保有率が全国平均を上回り、中古車市場が活発です。特に観光業が盛んなため、レンタカーの登録台数は全国で上位にあります。これらの状況から、中古車が重要な生活インフラを担っています。現在、中古車は船積前の一時保管を中城湾港で行っており、ここでの搬送業務は日常的に行われています。

しかし、地球温暖化に伴う労働環境の厳しさや、少子高齢化による人手不足が現実の問題として顕在化しています。これに対処するためMHI-MSは、車両搬送ロボットを導入することで効率化を図り、より持続可能な働き方を可能にすることを目指しています。

持続可能な社会の実現へ向けて

この実証試験では、単に業務効率を改善するだけでなく、車両搬送ロボットを通じてCO2排出量の減少という環境保護にも寄与することが期待されています。自走しないことでガソリン車の運転を削減し、脱炭素化に向けた一歩を踏み出します。

MHI-MSは、メカトロニクス分野で新しい価値を創造し、持続可能な社会への貢献に取り組む企業として、今後も先進的な技術を追求していきます。