日産のオリバー・ローランド、フォーミュラE世界チャンピオンに輝く
2024/25年ABB FIAフォーミュラE世界選手権のドライバーズタイトルが、日産のオリバー・ローランドの手に渡りました。彼の勝利は、ハンコック・ベルリンE-Prix第14戦で決まりましたが、その舞台裏には数々のドラマが待ち受けていました。ロンドンでの最終戦を控え、ローランドはこのレースで4位に入り、重要なポイントを手にすることで、前評判の高いパスカル・ヴェアライン(タグ・ホイヤー ポルシェ)の追撃を振り切りました。
このレースは非常に熾烈でした。ローランドは安定した走りを見せ、ポイント圏外のヴェアラインを抑える形での4位フィニッシュがタイトル獲得に繋がりました。一方、ヴェアラインは、ポールポジションからスタートしながらも競争の果てに順位を落としてしまいました。
レースが始まると、ポルシェチームが序盤からレースを支配し、一時はヴェアラインがトップに立ちました。彼はチームメイトや他のサポートドライバーと共にしっかりとした体制を築いていましたが、アタックモードの使用開始が彼の運命を変えてしまいます。ローランドはその瞬間を逃さず、持ち前の果敢なドライビングでポジションを上げていきました。
中盤戦では、ローランドは冷静にトップ10以内に留まり、30周目にはアタックモードを使用してロビン・フラインスやミッチ・エヴァンスをオーバーテイクし、一時的に首位に上昇。しかし、さらにアタックモードを使った結果、彼は瞬く間に順位を回復し、最終的には余裕を持って4位でゴールイン。これが彼のタイトル獲得を確定させました。
同時に、ニック・キャシディ(ジャガーTCSレーシング)がレースを制する快走を見せ、チームにとっては今週末の2勝目となる素晴らしい結果を残したのです。キャシディは20番スタートからの追い上げを果たし、ついには優勝を飾りました。2位にはジャン-エリック・ベルニュ(DSペンスキー)、3位にはジェイク・デニス(アンドレッティ フォーミュラEチーム)が入るなど、表彰台を競う接戦が繰り広げられました。
FIAチーム選手権では、日産が204ポイントを獲得し、ポルシェとの差をついに縮めましたが、同じくマニュファクチャラー選手権ではポルシェが342ポイントで首位をキープし、日産は335ポイントで僅差で追う状況です。
「本当に信じられない」とローランドは感慨深げに語ります。「ついにこの瞬間が来たと感じています。スタート時には無理をせず、ただ完走できればと思っていましたが、周囲のダイナミクスを見ているうちに、攻めの姿勢を取る必要があると感じました。」
同様に、キャシディも「今日の瞬間はオリと日産のものだと思う」と感謝の言葉を述べました。彼は、ベルリンでの勝利が特別なものであり、ジャガーチームの進化を誇らしげに語りました。
これから迎えるロンドンでのシーズン最終戦、観客の期待と共に、フォーミュラEはその盛り上がりを見せることでしょう。繰り広げられるバトルに注目です!
ABB FIAフォーミュラE世界選手権とは
ABB FIAフォーミュラE世界選手権は、電気自動車によるモータースポーツの先駆けであり、持続可能な未来を目指す理念のもと開催されています。カーボンニュートラルを目指しつつ、一流のドライバーたちが世界中の都市でレースを展開します。今年のシーズンも、さらに注目が集まることでしょう。