再生ナイロン66樹脂の開発
2025-10-21 11:52:01

持続可能な未来を築く再生ナイロン66樹脂の開発加速

廃棄エアバッグ由来の再生ナイロン66樹脂の開発加速



リファインバース株式会社(東京・千代田区)と東レ株式会社(東京・中央区)は、廃棄エアバッグや端材から再生したナイロン66樹脂素材の開発を一層加速させるため、協力関係をさらに強化するMOU(覚書)を締結しました。この取り組みは、循環型社会の実現に向けて重要な一歩となるでしょう。

エアバッグのリサイクルの背景


日本では、年間約273万台の自動車が廃車となり、その結果廃棄されるエアバッグは約1,900トンに上ります。従来、使用されなくなった車に取り付けられたエアバッグはASR(自動車シュレッダーダスト)として処理され、ほとんどがリサイクルされていませんでした。しかし、最近のEUの循環設計およびELV(使用済自動車)管理に関する規則案の影響を受け、日本でも再生材の供給と活用が求められるようになっています。

エアバッグのリサイクルが難しい理由は、その製品がシリコーンゴムやナイロンなどの複合材料で作られているためです。ここで、新しい解決策が必要です。リファインバースは、2019年から独自技術を用いてエアバッグを再生したナイロン素材「REAMIDE®」の事業を展開しており、現在、全国の自動車解体事業者からエアバッグを回収し、その数は100社を超えています。この「REAMIDE®」は、建材や結束バンドなどの製品に利用されています。今回、東レとの共同により、さらに高品質なナイロン66樹脂の開発を目指します。

取り組みの内容


リファインバースは、エアバッグの端材や廃車からの回収、シリコーンの剥離、洗浄、リペレット加工といった一連の工程を担当し、東レはコンパウンド処方設計と量産を行います。このように、役割分担をしながらエアバッグ由来のナイロン66樹脂の開発を進めていきます。

現在、ナイロン66樹脂に残る異物を最小限にするため、剥離・洗浄・リペレット加工の最適化が進められています。その結果、従来品を上回る品質の「REAMIDE®」が誕生しました。この素材は、国内で回収されたELV由来のPCR(Post-Consumer Recycled)材として、初めて東レの要求品質を満たすことに成功しました。今後は、国内で廃車から回収したエアバッグの自動車用途への再利用を実現するサプライチェーンの構築を目指す予定です。

回収の流れと現状


リファインバースは、全国各地で廃棄エアバッグの回収を行っており、取引先も30都府県に広がり、100社を超えています。回収されたエアバッグは、愛知県一宮市にある自社工場で「REAMIDE®」として再生され、建材や結束バンドなど多様な製品に使用されています。この循環的な取り組みにより、エコに貢献しています。

リファインバースのビジョン


リファインバースの企業理念は、「誰にもない視点と技術で未来の富をつないでいく」というもの。20年以上にわたりサーキュラーエコノミーを推進し、廃棄物を新たな資源として再生する様々なプロジェクトに取り組んでいます。今後も新しいバイオ素材「ReFEZER」(リフェザー)などを通じ、循環型社会の実現に向けたさらなる研究とビジネスの展開を続けていきます。


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