ロールス・ロイスが贈る特別なオマージュ『スペクター・ベイリー』
2025年10月、ロールス・ロイスはウエスト・サセックスのグッドウッドにて、愛犬に捧げる唯一無二の特別仕様車『スペクター・ベイリー』を発表しました。この車両は、米国に住むロールス・ロイスの長年の顧客のために制作され、彼らにとっての愛犬であるベイリーへの感謝と愛情を表現しています。
独自の寄木細工が魅力的
『スペクター・ベイリー』の特徴は何といっても、180枚を超えるベニヤを用いて生き生きとした愛犬ベイリーの肖像が描かれたリア・ウォーターフォールです。この精巧なアートワークは、制作に4か月以上を要し、自然な木目や色調を活かした仕上がりとなっています。職人たちは、広範な選択肢の中から、ベイリーの毛並みの温かみや質感を表現するために様々な天然のベニヤを選定し、試行錯誤を重ねました。
助手席のパネルには、ベイリーの足跡が寄木細工でデザインされ、コーチラインに肉球の跡が再現されています。このような細部へのこだわりは、ロールス・ロイスのビスポーク制作技術の真骨頂といえるでしょう。
限定色が創り出す美しいフォルム
スペクター・ベイリーのボディカラーは、特別に開発された虹色のツートーン仕上げです。その名称は「クリスタル・フュージョンを重ねたビューティフル・ベイリー」で、上部は光の変化に応じて色彩が変わるダイナミックな仕上がりです。この独特な仕上げは、ベイリーの柔らかな毛並みを彷彿とさせるものとなっています。
また、ダッシュボードにはベイリーへ捧げる寄木細工のデザインがあり、ドアを開いた瞬間に喜びをもたらします。こうしたディテールに息づく愛情は、持ち主にとって特別な意味を持つことでしょう。
エレガントでユニークなインテリア
車の内装は、モカシンとクリーム・ライト・レザーで構成され、ベイリーの毛色を意識したダーク・スパイスとキャスデン・タンのアクセントが美しさを引き立てます。高光沢仕上げのロイヤル・ウォールナットのベニアが贅沢な印象を加えています。
特に注目すべきなのは、後部座席の間にある寄木細工によるベイリーの肖像。これは、愛犬を称える心温まるアートとして重要な役割を果たしています。
実現したビスポークの夢
ロールス・ロイスのビスポーク・コレクティブは、お客様の特別なストーリーやビジョンを深く理解し、この愛犬への感謝が完全に形となるよう努力しています。スペクター・ベイリーは、単なる機能を超え、お客様の心の中にずっと残る作品としての意義を持っています。
テクニカルディレクターのフィル・ファーブル・ド・ラ・グランジュ氏は、この作品に込めた愛情や背景についてコメントし、「お客様の世界に入り込み、そのビジョンの背後にある唯一無二の物語に触れることが、大きな喜びである」と伝えています。彼の言葉は、スペクター・ベイリーがただの自動車ではなく、愛を込めて作られたアートであることを物語っています。
まとめ
ロールス・ロイスの『スペクター・ベイリー』は、忠実なる友への永遠のオマージュとして設計された特別な一台です。この車両は、愛犬を愛するという普遍的なテーマを表現し、ビスポークの無限の可能性を称賛するものと言えるでしょう。スペクター・ベイリーは、愛情と職人技が結実した、心に残る一台として、多くの人々の記憶に刻まれることでしょう。