静岡ブルーレヴズが脱炭素に向けた第一歩を踏み出す
静岡県に拠点を置くプロラグビーチーム、静岡ブルーレヴズがそのサステナビリティプロジェクト「SCRUM Action」の一環として、アスエネ株式会社とFan Circle株式会社との協業を通じ、2024年度の事業活動および試合運営におけるCO2排出量の算定を実施しました。この取り組みは、スポーツ界の持続可能な運営モデルを構築し、地域の脱炭素化に貢献するための重要なステップです。
CO2排出量算定の背景
ここ数年、地球温暖化に伴う気候変動は全ての業界に影響を及ぼしています。特に、スポーツ界では気温の上昇や異常気象により、イベントの開催が困難になるケースも増えています。静岡ブルーレヴズは、静岡県内でのチーム運営を通じて、地域の脱炭素目標への賛同を表明し、持続可能な地域づくりへの寄与を目指しています。こうした背景から、アスエネとFan Circleとの協力が実現しました。
算定の概要
今回のプロジェクトは、アスエネの気候変動コンサルタントが国際基準のGHGプロトコルに基づいて2024年度のCO2排出量を算定。概算として、事業活動全体のCO2排出量は458.34t-CO2、その内試合運営にかかる排出量は142.27t-CO2となっており、試合一試合当たりの排出量は平均17.78t-CO2という結果が得られました。これにより、試合運営が持つ環境への影響を明確に把握することができました。
今後の課題と展望
今回の算定結果から、試合運営におけるCO2排出量が事業活動全体の31%を占めており、そのうち約90%が観客の移動によるものであることが分かりました。このため、今後の取り組みとしては移動手段に関連する排出量の削減、並びにカーボンオフセットの導入が課題となります。具体的には、試合時の交通手段の見直しや、観客への啓発活動などが検討されています。
各社のコメント
このプロジェクトに関与した関係者からは期待の声が寄せられており、静岡ブルーレヴズの経営企画室室長竹中大也氏は、アスエネ及びFan Circleの協力に感謝し、今後も地域づくりに貢献する意向を示しました。さらにFan Circleの取締役阿部直樹氏は、日本スポーツ界における気候変動対策の第一歩として、今後も支援を続けると述べています。アスエネの岩田圭弘氏も、環境意識の向上を目指してスポーツ界における脱炭素の取り組みを推進していく考えを示しました。
結論
この取り組みは、単なるCO2排出量算定に留まらず、持続可能なスポーツを目指す動きの第一歩です。静岡ブルーレヴズが行うこのような施策は、他のチームやスポーツイベントにも好影響を与える可能性があり、スポーツ界全体の持続可能性を高めることに繋がります。持続可能な組織運営に向けた意識の変化が求められる中、静岡ブルーレヴズの挑戦には今後も注目が集まることでしょう。