演劇界の新たな試み 『賢治島探検記 2026』
2026年、宮沢賢治生誕130周年を迎えるにあたり、演劇界の重鎮である文学座と演劇集団キャラメルボックスが手を組み、新たな演出で名作『賢治島探検記』を上演します。このコラボレーションは、両劇団が持つ個々の魅力や技術を駆使した一大プロジェクトです。
コラボレーションの経緯
初めてのコラボとなるこのプロジェクトは、「劇場がなくとも美術や照明がなくとも、いつでもどこでも上演可能な芝居」をテーマに、演劇集団キャラメルボックスの成井豊が描いた作品を基にしています。文学座の西本由香が演出を担当し、成井の作品を新たに彩る試みとなるため、興味が尽きません。
二つの劇団の融合
出演者は両劇団から選ばれた6名ずつで構成され、新旧の技術が融合した素晴らしい作品が期待されています。西本は、両劇団の持つ密なエネルギーを融合させ、観客に新たな体験を提供することを目指しています。
インタビュー:演出家と俳優たちの思い
西本由香(演出)と出演する石橋徹郎(文学座)、多田直人(キャラメルボックス)の鼎談では、今回のコラボについて「共感から生まれた」と語ります。特に、成井作品に在る独特な言語感覚を如何に他の演出家が受け止め、表現するかといった期待も寄せられています。
多田は、西本の演出を受けることに対し「成井さんの言葉を新たに感じられることが楽しみ」という思いを明かしています。一方、石橋はキャラメルボックスと文学座の「反対色」に言及し、相補的な関係性から生まれる独特な演出に期待感を滲ませます。
宮沢賢治の深い世界観
原作については、宮沢賢治の童話が数多く取り入れられており、特に震災を背景にした人々の葛藤や、希望の探求が描かれています。西本は本作が持つメッセージ性に感銘を受け、観客にとって深く共鳴する体験になると確信しています。
辛い状況に直面しながらも、仲間とのつながりや希望を見出すことの大切さを、この作品を通じて感じてもらいたいと願っています。
公演概要
公演名称:文学座×キャラメルボックス『賢治島探検記 2026』
原作:宮沢賢治
構成:成井豊
演出:西本由香
出演:栗田桃子、石橋徹郎、萩原亮介、宝意紗友莉、渡邊真砂珠、山下瑛司、他。
公演日程:2026年1月7日~18日
会場:新国立劇場 小劇場
チケット:好評発売中
詳しくは公式サイトをご覧ください。
この新たな試みが、演劇界にどのような波紋を投げかけるのか、ぜひ劇場で体感してみてください。