整備士の働く環境を変えるエアコン専用キュービクル『ピットキューブ』の登場

昨今、全国の自動車整備工場では、猛暑の影響を受けた労働環境の改善が急務となっています。特に、過酷な気候条件にさらされる整備士たちの健康を守るためには、適切な空調設備が必要不可欠です。このようなニーズを受けて、香川電力株式会社が中心となり、異業種の企業と共同で開発したのが、整備工場向けのエアコン専用キュービクル『ピットキューブ』です。

労働環境の改善への取り組み

『ピットキューブ』の開発には6社が参加しており、労働環境の改善と人材確保を目的としています。整備士は、車両の安全な運行を支える重要な役割を担っていますが、その数は年々減少しています。特に自動車整備専門学校への入学者数は過去18年で約47%も減少しており、環境改善が求められています。実際、整備士の職場環境は非常に厳しく、真夏は室内が40度を超えることもあり、熱中症のリスクが常に存在しています。

同社の『ピットキューブ』は、狭小の敷地でも設置可能で、効率的な空調機器の導入を実現しています。W850mm×D900mm×H1900mmというコンパクトな設計によって、工場内のスペースを無駄にすることなく、迅速に空調を設置できるように配慮されています。

特徴的なデザインと早い納期

『ピットキューブ』は、標準化および量産対応により、最短1週間での納期を可能にしています。また、大幅なコストダウンを実現しているため、中小の整備工場でも導入がしやすくなり、広く普及することが期待されています。この製品が普及することで、整備士たちの労働環境が根本から改善されるだけでなく、業務効率も向上し、結果として人材の定着の助けともなるでしょう。

社会全体への影響

『ピットキューブ』の導入が進むことで、整備士の熱中症リスクを低下させ、労働環境の改善、業務効率の向上とともに、省エネルギーや脱炭素化社会の実現にも寄与するでしょう。これにより、整備士の働く現場を守り、モビリティ社会の安全を支える重要な役割を果たすことが期待されます。

今後の展開

香川電力は、今後も『ピットキューブ』を全国に展開していく方針です。そして、この製品の導入を通じて、労働環境の改善と省エネ社会の実現を支援していきます。予約受付は2025年9月下旬から開始し、出荷は2026年2月を予定しています。この新しい取り組みが、日本の自動車整備業界における環境改善に繋がることを願っています。