冨永愛が伝える伝統の絵の具の魅力とその未来について

冨永愛が探る、伝統絵の具「胡粉」の魅力とその秘密

毎週水曜夜10時に放送されるBS日テレの「冨永愛の伝統to未来」が、11月26日の放送で特別な訪問先を取り上げます。それは、日本最古の絵の具店である「上羽絵惣」。「胡粉」と呼ばれる白色絵の具の製造過程や、その伝統色の魅力について、冨永愛が深く掘り下げていく内容となっています。

上羽絵惣の歴史と魅力

「上羽絵惣」は、江戸時代後期に創業され、長い歴史の中で様々な伝統色を約1200色も扱っています。特に、伊藤若沖や円山応挙などの伝説的な画家たちが使用したことで有名なこの店は、現在もその技法を守り続けています。色彩感覚豊かな日本の優れた技術が、ここに結晶しています。

店舗に入ると、目に飛び込んでくる色とりどりの絵の具の箱。冨永愛が引き寄せられるのも無理はありません。特に印象的なのは、約100年前に六代目がデザインした「白狐」のトレードマークが描かれたラベルです。このデザインはアール・ヌーヴォーの影響を受けていて、時代を超えた美しさを醸し出しています。

驚きの胡粉製造法

「胡粉」は、日本画に欠かせない基本的な絵の具です。この白を基に他の顔料と混ぜ、様々な色を作り出します。冨永はその製造過程を知り、驚きを隠せません。特に、貝殻を10年以上にわたって風化させて作るという手法は、非常に手間と時間がかかることが伺えます。上羽絵惣では、牡蠣の貝殻の代わりに、より高純度の炭酸カルシウムを得られる北海道産のホタテの貝殻を使用しています。これにより、古くからの製法を今に受け継ぎつつ、現代にも対応しています。

さらに、上羽絵惣の新彩岩絵具の製造過程も紹介されます。熟練の技が必要となり、さらには色ごとに独自の名前がつけられ毎にその由来があるのは、多くの人には知る由もない事実です。例えば、「新橋」という色の絵の具は、新橋芸者に愛された特別な色として名付けられています。これらの背景にも触れたくなることでしょう。

未来の絵の具と新たな取り組み

伝統ある「上羽絵惣」は、現在日本画を描く方や絵の具職人が少なくなってきているという課題に直面しています。そんな現状を踏まえ、未来に向けた新たなプロジェクトに取り組んでいます。それが「胡粉ネイル」。このネイルは胡粉を使用したもので、刺激臭がなく、安全性を考慮した製品です。子どもや妊婦の方でも安心して使えることから、注目が集まっています。